Jリーグ ガンバ大阪

ガンバ大阪に求められる課題。再び強豪入りするためには…

写真提供: Gettyimages

著者:秕タクヲ

19日のJリーグ第29節、ガンバ大阪は川崎フロンターレとホームで対戦した。宇佐美貴史とアデミウソンを欠いた中、一進一退の攻防は2−2の痛み分けという結果に終わった。この引き分けをもって永遠のライバルであるセレッソ大阪より上の順位でシーズンを終えることが絶望的となった。

ガンバ大阪
画像:関西勢のJ1順位水位

これがガンバのあるべき姿なのか。いや、そうではない

ガンバの低空飛行ぶりは今に始まったことではない。近年のガンバの成績ダウンが顕著だ。これまではACL圏内〜J1制覇をターゲットにしていたが、直近3シーズンは中位に留まっている。対してセレッソ大阪はJ1復帰の2017年以降上位での着地を決めることに成功している。

今シーズン残り5試合、問題なく残留を決めることができるとは思うが、来シーズンも同じ轍を踏むわけにはいかない。来シーズンが実りあるシーズンになることを願い、今ガンバが治療しなければならない患部をご紹介したい。


【ハマらない右サイド】

今シーズンのガンバで目立つ箇所の1つに右サイドの人選が挙げられるだろう。相手の陣容に合わせ4バック・5バックで守備を行うガンバだが、どうも相手チームからすると「ガンバの右サイド」が突破口のようにみなされているのが現状のようだ。攻守において勇敢なプレーでチームを鼓舞する高尾瑠が宮本恒靖指揮官のファーストチョイスであるが、その高尾の前に誰を配置するべきか。現時点においてまだ明確な答えが出ていない。

小野瀬康介とのコンビでは前がかりを逆手に取られ相手の攻撃が活性化されてしまう。マルケル・スサエタとでは中央でプレーをしたがるスサエタに動きに合わせられず展開力が乏しくなる。

シーズン通して「右サイドの解なし状態」が続いたことが今シーズンの反省点として浮き彫りになり、第27節セレッソ大阪との大阪ダービーでは柿谷曜一朗を中心に右サイドを使われ3失点を喫し敗北した。

福田湧矢の成長曲線に期待

こうした課題の中、私は福田湧矢の成長曲線に期待したい。今シーズン、左ウィングバックや中盤での起用で随所で活躍したが、来シーズン左サイドが藤春廣輝、更にはローンバック予定のオ・ジェソクが名を連ねることを考えれば、福田の右サイドでの起用は構想に入れ込むべきだ。攻守のバランスに長けている福田の起用はこの問題を解決すると私は考える。


【前線の最大値が見つからない】

フェルナンジーニョ、アラウージョ、ルーカス、マグノ・アウベス、パトリック。過去のガンバ大阪の前線には強烈なプレイヤーが多く所属していた。しかし、そんなガンバの前線に陰りがうっすら見え始めている。

ガンバ大阪
画像:ガンバ大阪得点数推移

過去のシーズン得点数を取り上げても理解できる通り、国内3冠を達成した2014年と比較しても、おおよそ3割の得点減が生じている。原因を語る資格はさらさらないながらも素人の頭で考えたが、得点減の要因は大きく2つあると見ている。

宇佐美、小野瀬を有効起用へ

まず1つは、相手陣内において「幅と深さ」を有効利用できない点。例えば今シーズンのパトリックは特に相手最終ラインで駆け引きするのを得意としているがボールに絡む機会が見られないため、ガンバの得点機会が減っている。第23節ジュビロ磐田とのホームゲームでは、ルキアンの退場により数的優位に立っていながらも偶発的な1得点のみに終わり、試合終盤のPKによる失点であえなく痛恨のドローとなってしまった。この試合でも中々ボールをいい形で預けることができなかったパトリックはフラストレーションが溜まっているようにも伺えた。

こうした問題に気づけているのは宇佐美貴史だろう。彼らはジュビロ磐田戦以降、徐々にサイドラインまでボールを受け取りに行く動きや相手最終ラインを押し下げる動きが増えたような印象を受ける。第26節サガン鳥栖戦は宇佐美の躍動が目立ち1−0で勝利を収めた。また小野瀬を2トップで起用するのも有効だと考える。自身の速さ・スペースを巧みに使うプレーで川崎フロンターレ戦、攻撃において重要な役割を演じた。また小野瀬の走行距離を鑑みても彼を使わない手はない。

基本スタイルの変革を

もう1つは「チームの基本姿勢」が定まっていない点。長谷川健太監督がガンバを退いて以降、チームはかつてのポゼッションスタイルからカウンタースタイルに舵が切られた。それは無論ファン・ウィジョを大いに活用する意味では理にかなう手法だった。前線に飛び出すファン・ウィジョめがけてロングボール、そこからの攻撃展開は相手にとって脅威であったことには違いない。

しかしファン・ウィジョがボルドーへ旅立った今、カウンターでの攻撃展開が冴えない。シーズン途中の大黒柱の移籍は、依存体質であることを露呈させてしまった。またキム・ヨングォンや矢島慎也などパスに定評のあるプレイヤーがいる中で、引いて守り1発を狙うスタイルは今のガンバに即していないと考える。ボール保持に徹し試合をコントロールされた状態から積極的にキーパスを仕掛けるスタイルへの変革がガンバには必要なのではないだろうか。