前線からのプレス
この戦術を採用するメリットはもう1つ。現在のバルセロナが高い位置からのプレスに苦しんでいることだ。レアル・ベティス戦ではそれが顕著で、2ゴールを許している。
そこで、昨シーズンにナポリがリバプール戦で見せた戦い方の出番だ。当時のナポリはビルドアップに詰まったときなど、あえて前線のスペースにロングボールを送り前線の選手がボールを回収したリバプールのディフェンダーに猛プレスをかけ、中盤の選手が一番近い選手を捕まえに行くことでボールを回収した選手にロングボールを蹴らせることができた。そうなると、マッチアップは空中戦に強いナポリのディフェンダー陣と、そうではないリバプールのアタッカー陣になる。前線に空中戦で力を発揮する選手がいない対バルセロナであれば、そこも再現可能だ。
また、片方のサイドバックに高い位置を取らせておくことで、中盤でのプレスもかけやすくなる。奪ったあとのビルドアップにおいても、中盤の選手が相手のプレスを惹きつけることができればサイドへのパスコースが生まれる。攻守にわたって効果的に働くだろう。
加えて…
これらに加えて、アランがメッシをどれだけの時間拘束できるかも重要になるだろう。リバプール戦とは違い、メッシの場合は一瞬でも自由な時間を与えると決定的な仕事をしてしまう。同選手にはアランを重点的に当てて、制限をかける必要がある。ただ、アランがメッシに引っ張られすぎると、中央にスペースが生まれてバルセロナの思うつぼだ。繊細かつ大胆な仕事がアランに求められるだろう。
また、90分間を通して走りぬく気合も必要になる。昨シーズンのリバプール戦のように、選手が100%を出し切らなければいけない。ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督のたぎるパッションが、選手にも伝播することを信じたい。
ナポリはバルサに...?
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