エルネスト・バルベルデ前監督を解任し、キケ・セティエン監督の就任を発表したバルセロナ。この監督交代は、チームにどのような影響を与えるだろうか。
バルセロナの監督にとって難しい問題の1つが、守備的な負担を期待できない大黒柱のリオネル・メッシを起用しながら、どのように試合を支配していくかだ。ボールを失ってから奪い返すまでの一連の流れやシステムを、他のチームとは異なる方法で行う必要がある。
ジョゼップ・グアルディオラ監督ですら、メッシを試合の中でどのように扱うかではなく、バルセロナとメッシをどのように共存させるかを目指した。その結果の1つが、有名な偽9番などの採用だ。グアルディオラ監督就任以降のバルセロナは、メッシとの共存が1つのテーマとなっている。
これまでの監督たちは、メッシを起用し、同選手と共存しながらリーグ戦や欧州カップ戦を戦ってきた。今回は、そのきっかけを作ったグアルディオラ監督以降の監督を対象に、各監督別のメッシの個人成績をご紹介する。メッシと上手に共存した監督は誰なのだろうか。
ティト・ビラノバ
試合数:43
ゴール数:54
アシスト数:14
90分あたりのゴール数: 1.4
90分あたりのゴール関与数:1.76
グアルディオラ監督をアシスタントコーチとして支えていたビラノバ氏は、同監督の退任とともにバルセロナの監督に就任。数字だけを見れば、メッシの能力を最大限に活かしたと言っていいだろう。チャンピオンズリーグ(CL)ではバイエルンに大敗を喫したものの、リーグ戦では勝ち点100を達成し圧倒的な強さを見せた。現在は帰らぬ人となってしまったビラノバ氏だが、存命していれば歴史的な監督になっていたかもしれない。
ヘラルド・マルティーノ
試合数:38
ゴール数:35
アシスト数:11
90分あたりのゴール数: 1
90分あたりのゴール関与数:1.32
健康上の理由から、わずか1シーズンで退任したビラノバ氏。後任に抜擢されたのは、欧州での指揮経験を持たないマルティーノ氏だった。ただ、昨シーズンにリーグ戦で圧勝したビラノバ氏とは対照的に、マルティーノ氏が率いたバルセロナは苦しいシーズンを過ごした。国内ではスーパー杯以外無冠に終わり、メッシの成績も落ちしている。
ルイス・エンリケ
試合数:134
ゴール数:133
アシスト数:51
90分あたりのゴール数: 1.04
90分あたりのゴール関与数:1.4
1シーズンで解任されたマルティーノ氏の後任に選ばれたのがエンリケ現スペイン代表監督だ。同監督は無失点での開幕4連勝を成し遂げるなど、バルセロナを新たなステージへと引き上げた。これまでの監督とは違い、チームの現状や選手の状態を考慮しメッシの起用を避けることもあったが、就任初年度にクラブを欧州3冠に導く手腕を見せつけた。メッシの成績も、マルティーノ氏が率いていた前シーズンよりも大幅に向上した。
エルネスト・バルベルデ
試合数:109
ゴール数:103
アシスト数:39
90分あたりのゴール数: 1.04
90分あたりのゴール関与数:1.4
2017年5月にバルセロナの監督に就任したバルベルデ前監督。就任初年度は攻守のバランスを取るために、4-4-2を採用。シーズン前半戦を無敗で折り返すなど、チームの立て直しに成功。ただ、エンリケ前監督はCLで苦しむことになった。初年度はローマに1stレグで4-1と大勝を収めたものの、アウェイの2ndレグで3-0敗戦。昨シーズンにはリバプールに1stレグで3-0勝利を収めたものの、アウェイの2ndレグで4-0の大敗を喫した。ただ、率いた2シーズン半の間のメッシの成績は上々だ。昨シーズンと一昨シーズンの2季連続で得点王に輝いている。
メッシと上手に共存したのは?
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