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セリエC初挑戦のプロクラブを支える女子大生とは!?【特別イン タビュー】

ゴッザーノの選手たちとファンがふれあう 写真:anita zanetta

クラブ史初のプロシーズン、共にスタート

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アニータさんは現在、大学に通いながらプロのクラブ(ゴッザーノ)に勤めていらっしゃいますが、両立は大変ではないですか?

A
そうですね。今年6月に全ての大学の試験が終わって、10月に卒業できると思っていました。しかしゴッザーノからのオファーによって、今は卒業予定時期が2019年3月に伸びました。その後は修士を取ろうと思っていますが、その前にまず本当にやりたいことを考えてから決めようと思っています。

ただゴッザーノからのオファーを受けたときは、断る選択肢は少しもありませんでした。絶対に二度とないオファーだと思っていたので。ゴッザーノにとっては史上初のプロシーズンを迎えるに当たってのオファーで、私と同じく「ゼロ」からのスタートでした。例えば1年後に同じチャンスがあったとしても、ゴッザーノはすでにプロ経験を持ち、私より経歴のある人を求めるでしょうから、このタイミングで話に乗らないわけにはいかなかったのです。

最初はサイトやSNS作りなど、たくさんやることがあって、私も未経験だったのでとても時間がかかりました。普通30分で完了する仕事に3時間かかったりもしていました。さらに試合が始まるとどんどん仕事が増えました。一日中ずっと外で仕事した後に卒業論文に挑むのは、私には難しいことです。アウェー戦で家を離れることもあり、卒業予定が伸びていきました。でも何もしないで時間を過ごしているわけではないし、有意義に仕事をしているので、正直伸びることはいいと思っています。

私の両親も支えてくれていますが、2019年4月までに卒業だけはすることが条件です。1月中旬に2週間ぐらいの休みがあるので、その時は勉強に集中しようと思います。現在は試験がないので大学に通うこともなく、家で準備を進めています。

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ゴッザーノでの主な仕事は、広報としてサイトやSNS管理ということになりますか?

A
ほぼそうです。ただサイトやSNS管理がこれだけ難しいことだと思っていませんでした。全てのことはパソコン1台で作業することができると思っていました。でも実際はSNSの投稿スケジューリングを考える必要があったり、写真がない時には練習に行って撮影したりすることもあったり、やることがたくさんあります。

D
ゴッザーノはどんなクラブでしょうか?

A
先ほども言いましたが、ゴッザーノはセリエC挑戦が初めてであり経験の無いクラブなので、たくさんのことを他の経験のあるクラブから学んでいます。ゴッザーノのスタジアムもセリエCの規模ではないので、隣のヴェルチェッリというクラブのスタジアムを使わせていただいています。本当にお世話になっています。

ただヴェルチェッリは50kmほど離れたところにあるので、サポーターにとっては大変です。特に去年までゴッザーノで応援してくれていたお年寄りの方々が試合に足を運べなくなりました。今はゴッザーノスタジアムに設備を追加しているところです。来年はファンのためにも地元で試合をしたいですね。

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