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インテル対ナポリの上位対決。先制弾が後半ATまでもつれた5つの理由

日本時間27日早朝に行われたインテル対ナポリのセリエA上位対決。首位ユベントスが引き分けていたこともあり、是が非でも勝利したいこの試合を制したのはインテルだった。しかし、先制点は後半アディショナルタイムまでもつれる展開となった。今回はこの試合の先制点が試合終了間際まで生まれなかった5つの理由をご紹介する。


ハムシークの負傷交代

ホセ・カジェホンを右SBで起用し、その1列前にファビアン・ルイスを置いたナポリ。この起用がどのようにナポリの攻撃を活性化させるか気になったが、前半24分にマレク・ハムシークが負傷によりベンチに退いたことで、システムの変更を余儀なくされた。その結果ファビアンはいつも通り左サイドに、カジェホンも1列上げて、いつものポジションに収まった。ナポリがハムシークの交代までに、カジェホンを使った効果的な攻撃を見せたのは数回。これを継続できていれば、試合は違った展開になったかもしれない。インテルはカジェホンのサイドを執拗に狙っていたので、先制点はもっと早い時間に生まれた可能性があるし、ナポリとしても目指していた攻撃を実現できていたかもしれない。それと、単純にハムシークが抜けたことでナポリが攻撃の重要なピースを失ったことも事実だ。


インテルのハイプレス

この試合のインテルはナポリのビルドアップに対して素早くプレッシャーと規制をかけて、多くのロングボールを蹴らせている。そのロングボールに対しても後方の選手が連動して寄せることで多くのボールを回収した。これがナポリを苦しめた。あれだけ3ラインが連動し、運動量をもってプレスをかけられればどんなチームでも苦戦するだろう。


かみ合わないミリク

この試合で先発起用されたミリクは終始、周囲の選手とかみ合わなかった。ボールを引き出せないのでナポリは前線で起点が作れず、他の選手との距離感もいまいちなので、ボールが入ってもシュート以外の選択肢がないことが多かった。交代で入ったドリース・メルテンスが攻撃を格段に活性化させたことを考えても、ミリクの起用法はナポリにとっての1つの課題だろう。


ナポリのコレクティブな守備

前線の選手の呼吸が少しずれていたとはいえ、サイドを上手に使ってナポリのディフェンスを深い位置まで追いやり、シュートチャンスを作ったインテル。ただ、ナポリが中央をコンパクトに閉じて、コレクティブなディフェンスを見せたことで、ネットを揺らすのは難しかった。狭いエリアの中で互いのスペースをしっかりと守り、カバーリングも上手に行ったナポリからゴールを奪うのは難しかっただろう。


カリドゥ・クリバリ

この試合でクリバリは多くの決定的なピンチを素晴らしいディフェンス能力でしのぎ切った。彼のインターセプト、シュートブロック、カバーリングがナポリを大きく助ける結果となっている。もちろんクリバリが目立っただけで、ラウール・アルビオルも素晴らしいパフォーマンスを見せた。クリバリが退場したナポリが失点するのは時間の問題だったかもしれない。


名前:菊池大将
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