Jリーグ 大分トリニータ

J1の舞台で再会。2009年の経営問題で別れを告げた大分トリニータ戦士は?

今季のJ2リーグを2位で終え、見事J1昇格を果たした大分トリニータではあるが、過去には経営問題に悩まされていた時期があったことは多くのJリーグファンの間で共通の記憶となっていることだろう。特に2009年に表面化した経営問題では資金のやり繰りで限界を迎え、2009年シーズン終了後に複数の主力を放出する事態となった。そこで今回はその2009年シーズンを最後に大分を離れた選手を紹介する。


西川周作

ポジション:GK
年齢:32
現所属クラブ:浦和レッドダイヤモンズ

U-15から大分で過ごし、世代別日本代表にも選出されるとトップチーム昇格を果たした2005年シーズンには後半戦から正守護神を務めるなど、高卒1年目にして正守護神の座を掴んでいた。2006年にはGK楢崎正剛やGK川口能活とともにアジアカップ最終予選メンバーに選出され、一気に知名度が全国区となっていた。2010年にサンフレッチェ広島へ移籍すると名将ミハイロ・ペトロビッチや現日本代表監督・森保一とともにシーズンを戦い、2012年にはJ1リーグ優勝に大きく貢献した。


金崎夢生

ポジション:FW
年齢:29
現所属クラブ:サガン鳥栖

※写真は鹿島アントラーズ在籍時

2007年に大分トリニータに加入した金崎は翌シーズンにFW家長昭博が重傷を負ったことにより、主力に定着しリーグ戦全試合出場を果たした。それと同時にナビスコカップ優勝にも大きく貢献。見事ニューヒーロー賞を受賞している。ただ2009年シーズンも主力のポジションこそ変わらなかったもののチームの不振を象徴するかのごとくわずか1ゴールに終わり、経営問題により名古屋グランパスへ移籍している。その後も海外を含めて転々とした同選手は今夏にサガン鳥栖に加入。再び九州地方に身を置くこととなった。


森重真人

ポジション:DF
年齢:31
現所属クラブ:FC東京

サンフレッチェ広島ジュニアユース時代には日本代表DF槙野智章とともにプレーしていたものの、ユース昇格を逃して以降サンフレッチェ広島とは縁が無くなってしまう。それでも現大分トリニータ指揮官の片野坂知宏からの誘いに応えて2006年に大分トリニータに加入すると、2008年シーズンより主力として定着。しかし2009年シーズンオフに移籍を余儀なくされ、複数クラブによる争奪戦の末FC東京が同選手を獲得。以降は日本代表の最終ラインを支えるなど、Jリーグ界を代表するセンターバックにまで成長している。


清武弘嗣

ポジション:FW
年齢:29
現所属クラブ:セレッソ大阪

地元・大分市生まれの清武は父親が指揮官を務めるチームから大分トリニータU-15、U-18を経て2008年にトップチームデビューを飾る。2年目の2009年シーズンにはリーグ戦23試合に出場するなど一気にブレイクを果たす。ただその矢先に待っていたJ2降格・経営問題により、セレッソ大阪への移籍を余儀なくされる。しかしそのセレッソ大阪でも主力に定着。2012年シーズンには香川真司の後を継ぐ形で背番号「8」を着用すると、その香川の後を追うような形でブンデスリーガへと旅立っていった。


2009年退団組以外にも…

・マグノ・アウベス
・梅崎司(現湘南ベルマーレ)
・東慶悟(現FC東京)
・家長昭博(現川崎フロンターレ)

2009年シーズン終了後に退団した選手以外にも、大分トリニータはこれまで多くの有望株を放出してきた。今季湘南ベルマーレの一員としてYBCルヴァンカップを制したMF梅崎司は2007年にA代表に選出されるなど、頭角を現していた。FW家長昭博はガンバ大阪からのレンタル組であり、大分トリニータで過ごした2シーズンは加入1年目の靭帯損傷の大怪我もあり、満足のいくものではなかった。そして現在FC東京の主力であるMF東慶悟は2009年のトップチーム昇格時から主力に定着し、2010年シーズンには主力が大量退団する中、チームをけん引する存在となっていた。

このようなこれまで多くの主力を放出し、一時期はJ3リーグにまで降格する危機に陥っていたものの片野坂知宏監督の手腕もあり、見事J1に復帰している。来季は多くの元大分トリニータ戦士たちが古巣との対戦を待ちわびることとなるだろう。