セリエA サッスオーロ

ボアテング、変わらぬ差別の現状に失望「5年前と何も変わっちゃいない」

 サッスオーロの元ガーナ代表MFケビン=プリンス・ボアテングが9日、『ESPN』のインタビューに応じ、自身も経験した人種差別への思いを語った。

 ボアテングは2013年のミラン所属時代にも人種差別を経験しており、国際サッカー連盟(FIFA)が主導する差別や人種差別に対するキャンペーンにも積極的に参加している。そんな同選手は5年前と変わらない人種差別の現状に怒りを覚えているようだ。

「唯一変わったことは、人種差別が隠されるようになったということ。彼らは大ぴっらに差別的なチャントを歌わなくなった。なぜなら、彼らは自身が制裁を受けることを知っているからだ。隠れてはいるけど、確かに存在している。ここ5年間を見てもなにも変わっていないという事実は危険だし、残念だ」

 5年前にイタリアで人種差別を経験したボアテングだが、母国の1つであるドイツでも人種差別はあからさまに存在していたようだ。

「ドイツに行ったら通りの人々を見てほしい。3000~4000人の差別主義者たちが腕をヒトラーサインのように掲げて行進しているよ。頼むよ!そんなことは認められない。そんなことはあり得ないんだ。僕たちの子供たちが人種差別を見て僕たちがそれを認めてしまったら、子供たちはそれを学んでしまうんだ。恐らく間違った道を進んでしまうだろう」

「とても危険なことだけど、僕にとっては難しいことでもあるんだ。僕に何ができる?僕は毎回、すべてのインタビューで僕自身の経験を話している。僕は僕の経験を伝えたい。だけど、もっと大きな人々は、重要な人々は、政治家たちはなにもしない。僕たちに何ができるって言うんだ?」