セリエA

DR.TRIBE【試合診断書】セリエA第4節カリアリ対ミラン

大会:セリエA
カード:カリアリvsミラン
スコア:1-1
担当医:菊池大将(@yukkenokonoko
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):対象者なし

この試合で印象的だった選手は何人かいるが、ジョアン・ペドロとゴンサロ・イグアインに触れておきたい。ペドロは6ヵ月という出場停止処分明けとは思えないパフォーマンスで先制点を奪取。今後のカリアリにとって貴重な戦力となることを証明した。イグアインは移籍後初ゴールを記録。相手のミスからではあるが、チャンスを逃さないストライカーとしての姿勢を見せた。

ザ・ハード・ワーカー(THW):フランク・ケシエ

序盤こそシステムのかみ合わせ的にフィリップ・ブラダリッチをフリーにしたものの、指示もありすぐに修正。試合を通して中間ポジションを取りながら味方選手にスペースを提供。球際にも強く行き、最後までプレッシャーを緩めずカリアリを苦しめた。このプレーが同点弾に繋がるミスを誘発している。ニコロ・バレッラもスペースを埋め、ボールに対して丁寧かつ責任をもってプレーしていたが、試合の中での存在感という意味でケシエを選出する。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):シモーネ・パドイン

難しい相手ではあるが、試合を通してスソの対応に苦戦。スソが供給するボールが精度に欠いていたため、失点せずに済んだがもう少し忍耐を持つべきだった。また、ケシエのプレッシャーに屈し同点弾を献上するミスも。冷静な対処が必要だった。


カリアリの攻撃vsミランの守備

序盤はシステムのかみ合わせ的に浮くブラダリッチを経由しながら効果的に攻撃。ネガティブトランジションの早さと、プレスの強度でミランを押し込むことに成功した。恐らく試合前から狙っていたディフェンスラインの裏を突く素早い攻撃で先制点の奪取に成功した。

対するミランはケシエとジャコモ・ボナベントゥーラの守備のオーガナイズに修正を加えることで対応。両選手がブラダリッチのマークを受け渡しながら自由を奪った。中盤でのプレスの開始位置を高めたこともカリアリを苦しめた。

カリアリは試合終盤はミランの攻撃に走りまわされたこともあり息切れ。アルトゥール・イオニタを投入し、ジョアン・ペドロを一列高い位置に上げたが、ミランの守備を考えるのなら4-3-1-2から4-3-2-1に変更し、中盤での優位性を取り戻したほうが良かっただろう。


ミランの攻撃vsカリアリの守備

序盤はカリアリの高い位置からの強度の高いプレスと浮いていたブラダリッチに苦戦し、押し込まれる時間が長かったことで満足な攻撃はできなかった。カリアリがルーカス・ビリアをペドロで抑え込んでいたことも大きい。しかし、守備のオーガナイズを変更することで息を吹き返したミランは、ビリアが徐々に高い位置でボールを受けゴンサロ・イグアインとの距離感を適度なものにすることで、意図した攻撃が可能に。プレス位置が高くなったことでカリアリのミスを誘発し、同点弾を奪っている。

また、ミランはケシエが中間ポジションを取ってディフェンスを引き付けることで、サイドバックなどが高い位置でスペースに入り込むことができるようになり、ピッチの横幅を使った攻撃を見せた。イグアインが大きく受けに下がったり、サイドに流れることでカリアリのディフェンスを揺さぶった。スソからのクロスは数多く見られたが、ボールの質がもう少し良ければゴールに繋がっただろう。カリアリはブロックを組んで集中力を保っていたが中盤での主導権争いに敗れていたため、カウンターにつなげるディフェンスを見せる回数は少なかった。

ティエムエ・バカヨコの投入は彼の実戦でのインサイドハーフのクオリティを試したかった点もあるだろう。ただ、もう少しボールを持った際の判断やプレーに改善が必要だ。サム・カスティジェホとディエゴ・ラクサールの投入はダリヨ・スルナをデュエルに引き込むための策だろう。もう少し、全体として彼ら二人が左サイドでボールを持てるようにしても良かったかもしれない。65分からカリアリはブラダリッチを1列下げてシステムを3バックに変更。披露がたまっていた中でもスペースを与えずに最少失点に抑えたことは評価できる。


カリアリ監督:ロランド・マラン

試合の序盤は恐らく用意していたであろうコンセプトがはまり、15分ほどではあるがミランを完全に押し込んだ。その中で先制点を奪えたことは非常に大きい。ただ、52分にイオニタを投入した際はペドロも2列目にとどめておくべきだっただろう。そうすればもう少し選手の疲労は抑えられたかもしれない。しかし、結果としてミラン相手に勝ち点1を奪取できたことは大きい。


ミラン監督:ジェンナーロ・ガットゥーゾ

試合の序盤は完全に後手を踏んだが、修正が早かった点は評価できる。試合を通してやりたかった攻撃は見せることができただろう。また、交代策も意図を感じるものだった。アタランタを下し勢いのあるカリアリを相手にアウェイで引き分けは決して最悪の結果ではない。


主審:ロサリオ・アビッソ

数回フラストレーションの溜まるジャッジはあったものの、試合を通して判定に試合の結果を揺るがすミスや基準のブレはなかった。