ラ・リーガ レアル・ベティス

Dr.TRIBE【試合診断書】 ラ・リーガ第2節 デポルティーボ・アラベス対レアル・ベティス

大会:ラ・リーガ
カード:デポルティーボ・アラベスvsレアル・ベティス
スコア:0-0
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):ワカソ・ムバラク/マヌ・ガルシア

アラベスの強固ま守備をCMとして二人で支え、ライン間でベティスの選手に自由を与えないとともに、グアルダードとカルバーリョを常にモニタリングしながら、相手の攻撃をけん制した。

ザ・ハード・ワーカー(THW):セルヒオ・カナレス

ベティスの攻撃を一手に担い、乾との息の合ったコンビネーションでチャンスを演出。得点まで至らなかったものの、最も可能性を感じさせ、トランジション時の意識と強度も非常に高かった。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):ロレン・モロン

もはやベティスのエースへと成長したロレンだが、開幕から2試合で0ゴール。周囲の選手を上手く活かしているのは事実だが、少し自己中心的な場面も見られ、すでに苛立ちを感じさせる。


アラベスの攻撃vsベティスの守備

アラベス:基本的にはベティスのWBの裏のスペースを両SMFが素早く突く形。サイドバックが参加して分厚く攻めると言うよりも、攻守を前と後ろで、分業で行う。

攻めている時でも4バックとCMのどちらか1枚がカウンターの準備をして後ろに残る。攻撃の局面よりもポジティブトランジションで勝負を決めようとする意識が高く、2トップの運動量は豊富。

ベティス:狙いはネガティブトランジションの強度を上げて、高い位置でボールを奪い返すことにあったように見えたが、選手の距離感が悪く、逆に素早いカウンターを許す。

乾とカナレスがプレスのスイッチを入れる役割を果たし、ロレンとともにどちらかが相手CBまで圧力をかけに行く。フランシスの守備力は疑問視せざるを得ない。基本的に彼のポジショニングと判断の悪さが攻守に悪影響を及ぼしている。


ベティスの攻撃vsアラベスの守備

ベティス:GKから丁寧にボールをつないでゴール前まで迫る。WBは高い位置をキープし、この日はアラベスのコンパクトな4-4-2のブロックをサイドチェンジを多用して揺さぶりをかけた。ビルドアップの局面ではCMのどちらかがヘルプに入る。

カナレスが右のハーフスペースで下がってボールを受け、前向きになったタイミングで乾が、左のハーフスペースから中央に向かって斜めに走り込む形は試合中何度も見られた。

アラベス:横幅をコンパクトに保ちながら、基本的には4-4-2のブロックで、ベティスの3バックにプレスをかける場合はイバイかジョニーが2トップとともに前に出る。

両SMFが相手3CBの同サイドの選手と、WBを見られる中間ポジションに位置取り、相手のビルドアップをけん制。時折4-2-4のような形で前からはめる場面も。


アラベス監督:アベラルド・フェルナンデス

得点を奪う以外は狙い通りの形で試合をコントロールした。組織としての完成度は高く、昨シーズンから取り組んできた守備がこの試合でも成果を出した。

前線のクオリティ自体は悪くなく、途中から出場したグイデッティとブルギは共に実力者。ボルハとソブリーノの4人でポジション争いを繰り広げれば、チーム力の底上げにもつながるはずだ。


ベティス監督:キケ・セティエン

2試合連続同じような形で得点を奪うことができず。この試合では乾を先発起用して3-4-2-1で試合をスタートさせた。ミスで得点を逃すシーンも多かっただけに、決してすべてがネガティブな試合だったわけではない。

昨シーズンからカンテラーノを積極的に起用し、能力を引き出した手腕は本物だが、ここまではフランシスの起用に疑問を呈せざるを得ない。バラガンのコンディションに問題があるのだとすれば致し方がないが、早めに解決策を見つけるべきだろう。


主審:パブロ・ゴンサレス

12分にペナルティエリア内で、アラベスの選手にハンドの疑いがかけられたシーンで、VARの運用に少し手間取っているように見えた。判断自体は正しかった。後半にはベティスの選手が自陣ペナルティエリア内で相手選手を倒し、PKを与えられてもおかしくないシーンもあった。