ラ・リーガ バレンシア

Dr.TRIBE【試合診断書】 ラ・リーガ第1節 バレンシア対アトレティコ・マドリード

大会:ラ・リーガ
カード:バレンシアvsアトレティコ・マドリード
スコア:1-1
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):ロドリゴ

勝ち点1をもたらす同点弾をゲット。なかなかゴール前までボールをは運べない前半も、下がってボールを受けて自らシュートまで持ち込むなど、意気込みが感じられた。

ザ・ハード・ワーカー(THW):ダニ・パレホ

アトレティコに自由を与えてもらえなかったものの、その中でチームの攻撃を組み立て、守備でも素早い予測とポジショニングで相手の攻撃を阻止した。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):トマ・レマル

右サイドで攻撃を組み立てることが多かったのも影響して、なかなかボールを受ける機会が作れず。存在感が希薄だった。


バレンシアの攻撃vsアトレティコの守備

バレンシア:基本的なコンセプトは、左右共にCB(またはCM)、SB、SMF、FW4人の四角形でサイドを崩す。前半はSMFがサイドに追いやられて、ほとんどひし形にさせてもらえなかった。

パレホが常にモニタリングされていたが、ガライ、ガブリエウ、コンドグビアはボールを持たされた。そのため、ロドリゴがポジションを下げてボールを受ける場面も。後半はサイドチェンジをより頻繁に行って揺さぶりをかけた。

アトレティコ:2トップがパレホをモニタリングし、2CBとコンドグビアにボールを持たせ、ハーフライン付近からプレスを開始。コンパクトな4-4-2のゾーンブロックを敷いてサイドでボール奪取。

時折見せたフォアチェックは、グリーズマンがスイッチ役で、全体を押し上げてロングボールを蹴らせる。失点後にプレス位置をあげたことで少しオープンな試合に。


アトレティコの攻撃vsバレンシアの守備

アトレティコ:コレアとグリーズマンがポジションを入れ替えて、グリーズマンが右ハーフスペースのライン間でボールを引き出す。これはUEFAスーパーカップでもみられたオーガナイズ。コケがが右によってファンフランが高い位置をとる。

ボールを奪った後にまず見るのはコスタ。ディフェンスラインの裏を常に狙って相手のラインを下げた。レマルと、途中出場のビトロは共に中央寄りのポジショニングで相手ゾーンのシームを突く。

バレンシア:DFラインを高めに保ち、同じ4-4-2のアトレティコに対してミラーゲームを仕掛ける。2トップは相手2CBに高い位置からプレスをかけ、時にはGKまで追いかけてロングボールを蹴らせる。

前半はボールを持たされて、奪われた後にコスタを使われてピンチを招いたが、後半はアジャスト。ネガティブトランジションの強度を高めて、アトレティコの前への圧力を弱めた。


バレンシア監督:マルセリーノ・ガルシア

前半はシメオネにしてやられた。完全にボールを持たされて、狙い通りにサイドに誘導され、主導権を握られた。しかし後半にネガティブトランジションの強度と意識を高め、パスのテンポを速め、サイドチェンジのボールを前半よりも多用。相手の対応ミスもあり、同点弾を生み出した。

守備面にはまだ不安が残るものの、リヨンから獲得した若いディアカビが、印象的なパフォーマンスを披露したため、CBの更なる改善が見込めそうだ。


アトレティコ監督:ディエゴ・シメオネ

暑さの影響か疲れがあったのか、後半に失速したのが悔やまれる。前半はほぼ狙い通りの内容で終えただけに、ゴディンの彼らしくないミスは痛恨だった。

しかしW杯の影響もあり、まだコンディションが整っていないグリーズマンを、代えられるだけのタレントがベンチにはそろっており、攻撃のオプションは豊富だ。リュカの方がパフォーマンスレベルが高くなってきている今、この試合でも及第点に終わったフェリペ・ルイスの去就は気になるところ。


主審:ヒル・マンサーノ

後半開始すぐに、ガライがジエゴ・コスタを倒したシーンは、コスタがはやく倒れすぎたとは言え、ファウルをとるべきだっただろう。すでにイエローカードをもらっていたガライは、退場になってもおかしくなかった。

そのシーンの他は、目立ったミスもなく開幕戦屈指の好カードをさばき切った。