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W杯開催期間中の追放処分も… 蚊帳の外に置かれた選手10選

ワールドカップ・ロシア大会でクロアチア代表FW二コラ・カリニッチが大会期間中に追放処分を下されたことは記憶に新しい。そしてかつてローマやレアル・マドリードの在籍経験を持つFWアントニオ・カッサーノは虎視眈々(こしたんたん)と現役復帰に向けた準備をしていると伝えられている。そこで今回はチームから特殊な事情で追い出された選手を一挙紹介する。


イケル・カシージャス

所属クラブ:レアル・マドリード
シーズン:2012/2013シーズン

レアル・マドリードの守護神であるイケル・カシージャスは、危機を乗り越えて再び出場機会を得ることに成功した一人だ。同選手はジョゼ・モウリーニョ監督時代に宿敵バルセロナの選手と仲良くしたという理由で冷遇されることになった。同指揮官は徹底してアントニオ・アダンをGKに据えた。モウリーニョ監督がクラブを去ると、後任のカルロ・アンチェロッティ監督はカシージャスをチャンピオンズリーグ(CL)で先発に固定。チームは見事デシマ(10度目のCL優勝)を達成した。その後も守護神として活躍した同選手だったが、パフォーマンスの低下を理由に2014/2015シーズンをもってポルトに移籍した。


サミ・ケディラ

所属クラブ:レアル・マドリード
シーズン:2014/2015シーズン

レアル・マドリードのサミ・ケディラは契約最終年の2014/2015シーズンに度重なる負傷で戦列を離れていた。クラブは同選手との契約延長を拒んだことで、ケディラが復帰した後もカルロ・アンチェロッティ監督は同選手を招集外とし続けた。結果、アンチェロッティ監督は人材不足となった中盤にDFのセルヒオ・ラモスを起用する事態に追い込まれている。その後、2015年の夏の移籍市場でケディラはフリー移籍でユベントスに加入した。


カルロス・テベス

所属クラブ:マンチェスター・シティ
シーズン:2011/2012シーズン

カルロス・テベスはマンチェスター・シティでロベルト・マンチーニ監督と衝突し、クラブから追放された。マンチーニ監督は「テベスがクラブ退団を要求した」と主張した一方で、テベスは「マンチーニ監督が自分を犬のように扱った」と非難した。その後、同選手はチームから外された。2012年3月のチェルシー戦で復帰したテベスだったが、翌シーズン終了後にユベントスに移籍している。


フアン・マタ

所属クラブ:チェルシー
シーズン:2011/2012-2013/2014シーズン

チェルシーのクラブ史上初のチャンピオンズリーグ(CL)優勝にも貢献したフアン・マタだが、ジョゼ・モウリーニョ監督がクラブに復帰してから出場機会を減らすことになった。プレミアリーグで2011/2012シーズンは34試合、2012/2013シーズンは35試合に出場したが、モウリーニョ監督が就任し2013/2014シーズンは前半戦で13試合のみの出場となった。その後、2014年1月にマタはマンチェスター・ユナイテッドに移籍した。


本田圭佑

所属クラブ:ミラン
シーズン:2016/2017シーズン

本田圭佑は2015/2016シーズンに公の場でクラブの方針を批判し話題を呼んだ。その後、シニシャ・ミハイロビッチ監督のもと右サイドハーフとして先発出場を続けていたものの、同監督の解任とともに出場機会が激減。2016/2017シーズンより就任したビンチェンツォ・モンテッラ監督のもとでは、全く出場機会が巡って来なかった。2016/2017シーズン終盤に本田は自身のTwitterを通してシーズン終了後のミラン退団を発表。しかし、本田が出場機会が少ないながらもプロフェッショナルな仕事を続けていたことは、監督とクラブともに評価されていた。すると、エンポリ戦でわずか3分ながら出場機会を与えられると、ボローニャ戦で途中出場からゴールを決める。セリエA最終戦となったカリアリでは主力の離脱もあり、モンテッラ監督は本田をゲームキャプテンに任命した。ラストシーズンはほとんど出場機会のなかった本田だったが、ミランの背番号10番として有終の美を飾っている。


バスティアン・シュバインシュタイガー

所属クラブ:マンチェスター・ユナイテッド
シーズン:2015/2016-2016/2017シーズン

ジョゼ・モウリーニョ監督がマンチェスター・ユナイテッド指揮官に就任以降、シュバインシュタイガーの出番は激減。最終的にはユースチームに籍を移した。それでも、同選手は決してクラブに不満を語らず、黙々とトレーニングに励んだ。結局ユナイテッドで公式戦35試合にとどまり、2017年3月21日にアメリカ・メジャーリーグサッカーのシカゴ・ファイアーに移籍した。


エドガー・ダービッツ

所属クラブ:ユベントス
シーズン:2003/2004シーズン

闘犬ことエドガー・ダービッツはユベントスで当時の指揮官マルチェロ・リッピ監督と衝突。ルチアーノ・モッジGMともトラブルを引き起こした。その結果、2004年1月にバルセロナへとレンタル移籍で放出され、その後フリー移籍でライバルのインテルに加入している。なお、引退後はユベントス・レジェンドとして同クラブの様々なイベントで活動している。


フェルナンド・ジョレンテ

所属クラブ:アスレティック・ビルバオ
シーズン:2012/2013シーズン

2012年8月、フェルナンド・ジョレンテはアスレティック・ビルバオとの契約延長を拒否。契約満了を持ってクラブを退団することを決断した。その後、同選手はFWアリツ・アドゥリスにポジションを奪われ出場機会が激減、2012/2013シーズンをベンチメンバーとして過ごすこととなった。その後、2013年7月ユベントスにフリーで加入している。


アントニオ・カッサーノ

所属クラブ:サンプドリア
シーズン:2015/2016-2016/2017シーズン

悪童のイメージでファンの間では定着していたカッサーノだが、2015年夏に古巣サンプドリアへの帰還を果たす。しかし2015/2016シーズン終盤にクラブ首脳陣との衝突。シーズン終了後にはクラブから契約解除を通告されたものの、強硬手段に出て残留。翌2016/2017シーズンもトップチームへの帯同を許されることはなく、練習の参加も認められなかった。そして2017年1月に両者は契約解除で合意に至っている。


番外編:二コラ・カリニッチ

所属チーム:クロアチア代表
2018年 ワールドカップ・ロシア大会

クロアチア代表は史上最高成績の準優勝で終え歓喜に湧いたものの、カリニッチは蚊帳の外にいた。同選手はロシアW杯・グループステージ初戦のナイジェリア戦において途中出場を拒否したため、試合後に追放処分が下っていたのだ。