プレミアリーグ

放出はもったいない?プレミアのビックネーム余剰戦力

高額な移籍金を投じて多くの選手を獲得してきたビッククラブ。チームの強化に成功した選手補強がある一方で、余剰戦力となってしまい売却するタイミングを見失った選手も当然存在する。プレミアリーグでは移籍市場の終了(8月9日)まで残りわずかとなり、各クラブが人員削減に向けて動き出すだろう。そこで今回は、英紙『Four Four Two』が特集した「プレミアリーグの余剰戦力となってしまったビックネームたち」をご紹介したい。


エリアカン・マンガラ

所属:マンチェスター・シティ

世界で最も高価なディフェンダーたちを保有しているマンチェスター・シティ。フランス代表にも召集されていたエリアカン・マンガラもそのうちの一人だ。ポルトから移籍金4200万ポンド(約60億7000万円)で獲得したものの、信頼を勝ち得ることは出来なかった。

2016/2017シーズンにバレンシアへ期限付き移籍。一度はシティに復帰するも、再び昨冬にエバートンへ期限付き移籍。しかし、膝の怪我でレンタル先でも2試合のみの出場に止まり、マンチェスターへと帰還した。

シティにはオタメンディ、コンパニ、ラポルテ、ストーンズとグアルディオラ監督にとって十分なCBが揃っている。もし27歳のマンガラが出場機会を得たいと考えるのであれば移籍が不可欠だ。


イスラム・スリマニ

所属:レスター・シティ

2015/2016シーズンに奇跡的な優勝を果たしたあと、レスターはリーグ上位の地位を維持するために直後の移籍市場で新たに6名の選手を獲得。そのなかで、当時のクラブレコードとなる移籍金2800万ポンド(約43億円)で加入したのがスリマニだ。スポルティングで見せていた圧倒的な空中戦の強さを発揮することを期待されていたが、イングランドでは苦戦。デビュー戦以降、徐々に調子を落としていった。

昨季完全に出場機会を失ったスリマニは、冬の移籍市場でニューカッスルへ期限付き移籍。しかし、いきなり太ももの肉離れで離脱。復帰から2試合目でゴールを決めるも、第36節では暴力行為を働いて3試合の出場停止を下され、シーズンを終えた。レスターはどこかのクラブが彼の調子を取り戻してくれることを望んでいるだろう。


ラザル・マルコビッチ

所属:リバプール

2014年にリバプールはルイス・スアレスを6500万ポンド(約110億円)で放出。売却金額を使って8名の選手を獲得した。そのうちの一人がラザル・マルコビッチだ。

大きな期待を背負ってアンフィールドにやってきたが、加入初年度にインパクトのあるプレーを全く見せられず。翌シーズンからフェネルバフチェ、スポルティング、ハル・シティ、アンデルレヒトと毎年異なるクラブで期限付き移籍を繰り返したが、完全移籍では獲得されず。毎シーズンリバプールへと戻っている。

リバプールでは今シーズンも居場所はないと見られているが、売却先は見つかっていない。可能性が最も高いのは昨季期限付き移籍したアンデルレヒト。マルコビッチの能力を高く評価しており、完全移籍の可能性を探っていると報じられている。


フィンチェント・ヤンセン

所属:トッテナム・ホットスパー

2015/2016シーズンにエールディビジ(オランダ)で27ゴールを記録する大活躍。得点王、年間最優秀選手に輝いて、鳴り物入りでプレミアリーグに参戦した。

オランダで国際的な認知度を高めたことで、2016年に1700万ポンド(約23億3000万円)でトッテナムへ移籍。しかし、加入初年度は27試合で2ゴールと期待を裏切るパフォーマンスに終始。2年目となる昨季はトルコのフェネルバフチェへの期限付き移籍を余儀なくされた。

トッテナムでの居場所は失っており、どのようなオファーがきても受け入れるだろう。


ダニー・ドリンクウォーター

所属:チェルシー

2015/2016シーズンの奇跡的なレスターの優勝に貢献。ジェイミー・バーディー、リヤド・マフレズらにボールを供給し、エンゴロ・カンテと素晴らしい連携を築いた。

昨季チェルシーに移籍金3500万ポンド(約51億円)で加入。エンゴロ・カンテとのレスターコンビ復活が期待されたが、定位置を掴めず。今季から指揮をとるマウリツィオ・サッリ新監督の構想に入っていないと報じられており、エバートンやウェストハムが獲得に動く可能性があるようだ。

また、古巣レスター復帰の可能性も報道され、購入金額を大きく下回る移籍金2000万ポンド(約29億円)を提示されたとみられている。


ロバート・スノッドグラス

所属:ウェストハム・ユナイテッド

苦しいシーズンを送っていたハル・シティで抜群のパフォーマンスを披露。2017年1月に1000万ポンド(約14億円)でウェストハムへ加入した。しかし、望まれていたようなプレーは出来ず、徐々に出場機会を減らしている。

昨季は2部アストン・ビラへ期限付き移籍。再スタートを切ったスノッドグラスは新天地で本来のパフォーマンスを取り戻す。リーグ戦40試合に出場するなど主力として活躍した。

期限満了に伴いクラブに戻ったスノッドグラスだが、ウェストハムは今夏の移籍市場で大型補強を敢行。昨季復活を遂げたとはいえ、居場所はないだろう。今季もアストン・ビラでプレーする可能性が高い。


クル・ズマ

所属:チェルシー

チェルシーは毎年のように有望若手選手を獲得し、期限付き移籍で放出することを繰り返している。多くの若手選手はカジュアルなサポーターにとっては忘れられる存在だ。現在23歳のクル・ズマは2015/2016シーズンはリーグ戦23試合に出場しており、同年代の若手選手よりも一歩抜け出ていると言えるかもしれない。

しかし、前十字靭帯損傷の影響もあり、アントニオ・コンテ監督のもとでプレー出来ず。昨季はストーク・シティへ期限付き移籍。リーグ戦34試合に出場して研鑽を積んだが、マウリツィオ・サッリ新監督が就任した今季はプレシーズンでメンバー入りできない試合が続いており、かつて着けていた背番号「5」も新加入のジョルジーニョに奪われた。去就は未だ決定していないため、注目が集まっている。


マッテオ・ダルミアン

所属:マンチェスター・ユナイテッド

ジョゼ・モウリーニョ監督の好みではないサイドバックなのだろう。昨季サイドバックの1stチョイスは、キャリアの終盤にウインガーからコンバートされたアシュリー・ヤングとアントニオ・バレンシアであった。ルーク・ショーやマッテオ・ダルミアンに対していくつか欠点を指摘するコメントを発している。

23歳のショーに関してはプレシーズンに執行猶予を与えられているかもしれないが、2015年にトリノから移籍金1800万ユーロ(約24億円)で加入した28歳のダルミアンに対しては見切りをつけたようだ。

今夏、モウリーニョ監督は同胞のポルトガル人DFディオゴ・ダロトを獲得。同監督はダルミアンの攻撃力が不足していると考えており、放出を望んでいるとみられている。