代表チーム ワールドカップ

DR.TRIBE【試合診断書】W杯グループステージ 韓国対ドイツ

大会:ロシアワールドカップ
カード:韓国対ドイツ
スコア:2-0
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チーム監督
・主審


韓国MOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):キム・ヨングォン

ドイツの攻撃を身体を張ってブロックし続けたディフェンスリーダー。読みの鋭いカバーリングで幾度となく窮地を救った。そしてドイツの希望を打ち砕く先制点を、後半アディッショナルタイムに記録。チャンスを逃し続けたアタッカー人に代わって、自らゴールをこじ開けた。


韓国THW(ザ・ハード・ワーカー):チョ・ヒョヌ

この大会で悪くないパフォーマンスを維持していた韓国の新守護神は、最終戦で最高のプレーを見せた。多くのピンチを迎えながらも、類まれな反射神経とセービング能力で、最後までドイツに得点を許さなかった。


韓国MDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):ムン・ソンミン

韓国代表選手全員が勝利に値するパフォーマンスを見せたと言っていい。強いてあげるとすればソンミンになるだろう。後半に迎えた数々のチャンスを無下にし、歴史的勝利を逃す可能性もあった。ピッチを退くまで、守備面では運動量豊富に走り回ったが、少し走りすぎな感はあり、それがフィニッシュの局面に影響した可能性もある。


ドイツMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):対象者なし


ドイツTHW(ザ・ハード・ワーカー):メスト・エジル

トップ下で先発出場したエジルは、ビルドアップではクロースを助け、ファイナルサードでは気の利いたポジショニングとパスで、味方選手にチャンスを与え続けた。後半途中からセントラルミッドフィールダーにポジションを下げ、後方から効果的な縦パスを供給したが、試合を決めるには至らず。極めてアクティブだった。


ドイツMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):ドイツ代表全体

前回王者のグループステージ敗退は、2010年のイタリア、2014年のスペインに続いて3大会連続。ファイナルサードでの工夫が乏しく、最後まで1点をもぎ取れなかった。カウンターに対するリスクマネジメントも最悪だった。


韓国監督:シン・テヨン

グループステージ敗退がほぼ確定的となったグループステージ第3戦で、最高のパフォーマンスを選手たちから引き出した。ドイツのビルドアップを右側に誘導し、キミッヒやケディラにボールが入ったタイミングでプレスをかけてボールを奪いに行っていた。自陣深くまで攻め込まれる場面が続いたが、中央で自由を与えず、シュートコースを限定する守備を徹底してドイツの攻撃を跳ね返し続けた。カウンターの仕掛け方は、基本的には第1戦でドイツを破ったメキシコをお手本に、フンミンが左サイドに流れてボールを受け、そこから2、3人でゴールに迫った。最高の相手を前に最高の結果を手にした韓国。テヨン監督の采配は素晴らしかった。


ドイツ監督:ヨアヒム・レーブ

まさかまさかのグループステージ敗退。ドイツが3試合でW杯を終えるなど、誰が想像しただろうか。この試合でも堅いブロックを敷く韓国を相手にファイナルサードで創造性を欠き、最後まで得点を奪うことができなかった。スウェーデン戦で逆転のキッカケとなったベルナーのサイド起用にも、韓国に対応されて素早くスペースを消された。主力の怪我や退場など不運が続き、スウェーデン戦のクロースのゴール以外で、ドイツに「運」が向いていると感じさせる瞬間がほぼ皆無だった今大会。クロースへの依存度の高さや、最後までベルナーにこだわった選手起用、多くの場面でほころびを露呈してしまった。


主審:マーク・ガイガー

激しいフィジカルコンタクトでドイツの選手にプレッシャーを与える韓国の選手たちに、正しい判定を下して笛を吹き続けた。VARの使用もスムーズで、試合の流れを止めることもなかった。難し試合をそつなくこなした。


※コ・ヨハンはファン・ヒチャンと交代で出場。