
新世代の指導者らしく、ナーゲルスマンのトレーニング方法の特徴のひとつは最新テクノロジーの活用だ。ドローンを使って上空から選手の動きを撮影するだけでなく、異なる位置から配給されるボールを指定されたスペースへパスするトレーニングマシーン「フットボナウト」や、練習場に設置された巨大スクリーンなど最先端の技術を利用して、チームを指導している。こうしたデータと分析に基づいた革新的なトレーニングによって鍛え上げられたチームは、主に3-1-4-2のフォーメーションで緻密に組織された攻撃的なサッカーを展開する。高い位置でボールを奪って素早い攻撃を仕掛けることを好み、2017/18シーズンはバイエルンに次ぐリーグ2位の得点数を誇っている。
こうした実績を見れば、30歳の青年監督にビッグクラブが注目するのも当然だ。レアル・マドリード行きの話に飛びつかなかったのも、確固たる将来設計があり、今後いくらでも魅力的なオプションを選択できる自信があるからだろう。ホッフェンハイムでアシスタントを務めたアルフレッド・シュロイダーは『ビルト』に「彼にはどこに行きたいのか、どうやってステップアップするかの明確なプランがある」と語っている。昨季のUCLではプレーオフでリバプールに敗れたが来季は本選からの出場が確定しており、次のステップはまずは自らが育て上げたチームで欧州最高の舞台に挑むことだ。
ホッフェンハイムのパトロンであるディートマー・ホップも、2021年まで契約が残るナーゲルスマンを手放すのは早くても2019年だと他クラブをけん制している。それでも、マドリードからのオファーに魅力を感じなかったとされる指揮官は、遅かれ早かれビッグクラブのベンチでスポットライトを浴びることになるはずだ。ドイツメディア『シュポルト1』によれば本人は将来プレミアリーグで指揮を執ることを希望しており、実際にアーセン・ベンゲル監督が退任したアーセナルでの仕事に大きな関心を持っていたという。来月リオネル・メッシに1か月遅れてやっと31歳の誕生日を迎える指揮官には、世界屈指のクラブを率いて数多くの栄光を勝ち取るための時間がいくらでも残されている。
著者:マリオ・カワタ
ドイツ在住のフットボールトライブライター。Twitter:@Mario_GCC
コメントランキング