ラ・リーガ ブンデスリーガ

レアルの監督就任を断った30歳。最新テクノロジーを活用する新世代指揮官の未来

著者:マリオ・カワタ

 ロベルト・レバンドフスキのバイエルン・ミュンヘンからレアル・マドリードへの移籍の噂は、シーズン中から散々ドイツメディアを賑わせてきた。今夏の移籍を希望しているとも言われる29歳のストライカーの去就がまだまだ決着しそうにない中、欧州王者が1つ年上のドイツ人にオファーを断られたと3日のドイツ紙『ビルト』が報じた。オファーを受けたとされるのは、マヌエル・ノイアー(32歳)でもジェローム・ボアテング(29歳)でもなく、ホッフェンハイムのユリアン・ナーゲルスマン。電撃辞任したジネディーヌ・ジダンの後任としての監督就任オファーだった。

 30歳にしてドイツ屈指の名将としての地位を築き上げたナーゲルスマンは、アウクスブルクのセカンドチームに所属していた10年前、膝の故障により20歳で現役を退いている。その時彼をスカウティング担当に起用したのが、当時アウクスブルクの2軍を指揮していたトーマス・トゥヘルだった。30代半ばの若手指揮官から多くを学んだナーゲルスマンは、その後アウクスブルク、1860ミュンヘン、そしてホッフェンハイムでユースチームを指導。2013/14シーズンにはホッフェンハイムのU-19チームをドイツ王者の座へと導いた。そして既にトップチームにも関わっていた2016年、ナーゲルスマンはブンデスリーガ史上最年少の28歳にしてホッフェンハイムの監督に就任し、一躍その名が知られるようになる。

 しかしその若さだけが名声の理由でないことは、ホッフェンハイムの成績を見れば明らかだ。就任初年度に不振にあえいでいたチームを1部残留に導くと、翌シーズンには一気にクラブ史上最高の4位に躍進させ、UEFAチャンピオンズリーグプレーオフ出場権を獲得。2017/18シーズンは開幕前にセバスティアン・ルディとニクラス・ジューレ、冬にはサンドロ・バーグナーといった主力選手を次々とバイエルンに引き抜かれながら、前年を上回る3位でフィニッシュしている。

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