アジア AFCチャンピオンズリーグ

ACLに優勝しても出場できない?UEFAも猛反発するクラブW杯改革案の問題点

昨年のクラブワールドカップを制したレアル・マドリード 写真提供:Getty Images

 Jリーグのファンからすれば、ACLの優勝がCWCに直結している現状に比べ、このフォーマットでは世界の強豪と対戦する夢が遠のくことになる。国内リーグの賞金が大幅に増加し既にACLを軽視する傾向が見られる上に、CWC出場という目標が薄れればACLの持つ意味も大きく損なわれかねない。この点からも、少なくともJリーグのクラブにとってこの改革案は好ましいものとは思えない。そもそも大会のフォーマット変更の目的が、欧州のトップクラブの参加を増やし世界的な注目度を上げることにあるのだから、他地域が不利益をこうむるのはある意味当然とも言える。

 ではこの改革案がヨーロッパでは好意的に受け止められたかというと、そういうわけでもない。FIFAのインファンティーノ会長は一部のビッグクラブからは支持を取り付けていたようだが、猛反対したのがUEFAだった。先週23日、UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長は「利益の追求に目がくらんだ一部の人々が、大会の魂を不明瞭なプライベート・ファンドに売るようなことは受け入れられない」とし、経済的な利益のために大会方式を変更することに断固として反対する立場を明らかにした。彼が指摘する通り、新しいCWCと「ミニワールドカップ」として新設が提案されたネーションズリーグが実現すれば、FIFAは投資家グループから巨額の収入を得るとされている。

 当初は来月開幕のワールドカップ前にも新たな大会をFIFAの会合で承認させようとしていたインファンティーノ会長も、UEFAの猛反発により計画の先送りを余儀なくされた。FIFAの広報は「次回6月10日にモスクワで行われるFIFAの会合でこの件に関するアップデートを報告し、FIFAは今後もサッカー界のステークホルダーと共にこの提案を発展させていきます」との声明を出している。

 このままCWC改革案がお蔵入りとなるのか、あるいはFIFAが各方面からの反対を押し切って新大会の開催へと進んでいくのかは、現状では不透明だ。注目度の低い現在のCWCが理想的ではないのは明らかであり、何らかの方法でステータスを高めていくことには大いに賛成できる。しかしFIFAと一部のトップクラブだけが経済的な恩恵を受け、アジアを含むヨーロッパ以外の大陸のファンの夢を奪う改革案が、サッカー界全体の利益になるとは思えない。

著者:マリオ・カワタ

ドイツ在住のフットボールトライブライター。Twitter:@Mario_GCC

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