セリエA コッパ・イタリア

大舞台でブッフォンとの差が如実に表れた未来のアッズーリを担う“19歳”

 左サイドではブラジル代表FWドウグラス・コスタが得意のドリブルでDFダビデ・カラブリアを自陣に釘付けにするのみならず、スペイン代表FWスソにも守勢に回る意識を植え付けさせる。一方右サイドでは“デルビー・ディ・イタリア”と同様にサイドバックとしてこの大一番でも起用されていたFWフアン・クアドラードがまるで本職をこなしているかのような絶妙なタイミングの攻撃参加を仕掛けると、アルゼンチン代表FWゴンサロ・イグアインではなく、純生の「9」番に抜擢されたクロアチア代表FWマリオ・マンジュキッチへのクロスで決定機を演出する。

 一方で個人能力に大きく依存したビアンコネーロの“引き出し”の多さへの対応もあり後手に回らされていたミランだったが、ユベントスのビルドアップの局面におけるミスを見逃すことなく確実にフィニッシュまで持っていくことにより、先制点の機会を虎視眈々(こしたんたん)と窺う。

 ガットゥーゾの就任以降鍛え上げられたメンタリティがこの大舞台でも垣間見えたのか、ミランはユベントスに押し込みながらも、自分たちの時間帯を待つべく我慢強く試合を進めスコアレスで前半を終えることに成功。ところが後半、両クラブのティフォージをはじめ、数多くのフットボールファンは思いもよらぬ光景を目撃することとなる。

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