Jリーグ

VARは日本にこそ適している。Jリーグが導入すべき3つの理由

著者:マリオ・カワタ

 7日のセレッソ大阪戦後、サガン鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督は判定に対する怒りをぶちまけた。「監督として本当に色々なゲームをプロとしてやってきましたが、こういうな試合の裁き方というのは受け入れられない」と語ったイタリア人指揮官はこの試合のレフェリング全体に不満があったようだが、最も明らかな問題は76分のシーンだった。

 2点を追う鳥栖がC大阪のペナルティエリア内に入れたボールが、DF木本恭生の伸ばした腕に当たる。映像を確認する限りボールに接触しているのは明らかであり、腕の動かし方からもハンドの反則が妥当に見える。しかし主審はPKを与えることなく、試合を続行した。

 鳥栖はその後1点を返して1-2で敗れており、もしこの時点でPKから得点していれば最終的な結果が変わっていた可能性もあるが、この仮定の話自体にはあまり意味がないだろう。より重要なのはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が導入されていれば、納得のいく判定が下されていた可能性はずっと高かったという事だ。

 簡単に説明しておくと、VARは試合映像をチェックして主審の判定を補助するレフェリーを指す。主審がピッチサイドのモニターを確認する姿の印象が強いが、VARはアシスタント・ビデオ・アシスタント・レフェリー(AVAR)とともに複数のモニターで常に試合をチェックしており、誤審の可能性がある場合など必要に応じて主審と無線でコミュニケーションを取って、主審はそれをもとに判定の変更や映像確認などの対応を行うことになる。

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