プレミアリーグ アーセナル

ベンゲル、アーセナルが財政的にメガクラブには太刀打ちできないと認める

著者:ジョン・クロス(英紙『ミラー』チーフ・フットボールライター)

 アーセン・ベンゲル監督は、アレクシス・サンチェスの移籍劇によりアーセナルが欧州のメガクラブに太刀打ちできないことが証明されたと認めている。アーセナルの支払える金額は彼らと同じレベルにないため、もはや最高級のスター選手を獲得することはできないと語ったのだ。ベンゲル監督の正直な告白は驚くべきことではないが、エミレーツ・スタジアムへの移転が主要タイトル獲得につながるという夢を信じてきたアーセナルファンにとっては、受け入れがたいものだろう。しかしヘンリク・ムヒタリアンの移籍が濃厚な今、現実にはマンチェスター・ユナイテッドがアーセナルのベストプレーヤーを買い、アーセナルはユナイテッドの余剰戦力を獲得しようとしている。まるでガナーズ(アーセナルの愛称)は後ろ向きに進んでいるようだ。

 傷口に塩を塗るように、UEFAはアーセナルが世界中のどのクラブよりもファン一人当たりから得るスタジアムでの収入が多いという報告を今週発表した。それにも関わらずベンゲル監督は、アーセナルがユナイテッドやマンチェスター・シティ並みの給料と移籍金を払うことはできないという。また近い将来、週給100万ポンド(約1億5000万円)の契約を結ぶ選手が現れるだろうと述べている。

「経済的にはかなわないが、だからと言ってピッチ上で戦えないわけではない」と語るベンゲル監督。「フィールドで互角に戦えない言い訳としては十分ではない。もちろん、ユナイテッドとシティが経済的に上回っているのは事実だが」

「ロナウド、ネイマール、サンチェスといったワールドクラスの選手、彼らの要求する金額や獲得に掛かる費用を見ると、こういった選手には手が出せない。もっと若い選手に目を向けなければならない」

「どこでもより激しい競争があるから、最近はそれも以前に比べて難しい。今重要なのは、我々は他の多くのクラブよりも若い選手にチャンスを与えられるクラブだということだ」

「現代のサッカーは、最高級の選手がごく一部のクラブに集まるように作られている。それによって、予想外のことは起きにくくなっている」

「この5年間で、ビッグクラブと小さなクラブの財政的な差は途方もなく広がってしまったと思う」

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