アルゼンチン代表 セリエA

【知られざるヒーローたち】小さな身体に女神が宿る。ベルガモの希望 パプ・ゴメス

アレハンドロ・ゴメスがチームの躍進を支えた 写真提供:Getty Images

 昨シーズンは、アタランタにとって史上最も成功したシーズンとなった。あらゆるサッカー・ベッティング予測に反し、72ポイントで4位という素晴らしい順位でシーズンを終えた。ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の下、フランク・ケシエ、アンドレア・コンティ、マッティア・カルダラ、ロベルト・ガリアルディーニらを含む若手の躍進がセリエAに旋風を巻き起こし、半島でも有数の好ましく評判高いチームが形成された。

 しかし多くの若手選手によるチームにとって必要なのが、全てをまとめる”接着剤”の役割である。若手には、謙虚でありながらハングリーであり続けることを促す役割だ。その”接着剤”が、キャプテンゴメスだった。チームにとってほぼ30年ぶりとなるヨーロッパ大会では、ゴメスは”女神”を小さな肩に乗せ、16ゴール10アシストを記録した。

 29歳のゴメスはピッチ上で圧倒的な数字を出しただけでなく、懐疑的な人々を信者に変えた。彼は緩い空気を保ち、チームメイトが最大限の自信を持って自由にプレーできるようにしたのだった。

 ピッチ上でのパフォーマンスもさることながら、ゴメスはベルガモで最も愛される著名人となった。一種のカルトヒーローである。ダンスをしたり、毎週型破りな腕章をつけたり、彼と同じくらいの身長の子供達と同じように試合についてロマンチックに語ったりする。

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