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ベオグラード・ダービーでパルチザンファンが暴徒化。危篤の重体者も含む多数の負傷者。

 サッカーは国境を越え人々を魅力し熱狂させる素晴らしいスポーツである。ファンたちはそれに答えるかのように自らのクラブそして選手たちに声援を送る。しかし“12人目の選手”であるファンたちの応援は時として“度を越えた”ものに変わることがある。14日、英紙『ザ・サン』そしてイタリア紙『トゥット・スポルト』をはじめとする多数メディアが報じている。

 サッカーにおいてダービーというものはファンたちにとって特別な物を意味する。有名なもので言えばミラノ・ダービーやマンチェスター・ダービー、そしてルール・ダービーやマドリード・ダービーなどがある。その一つ一つがファンにとっては優勝を決定付ける試合同じくらい重要なものだ。

 その結果、興奮しすぎたファンたちが暴徒化し最もスポーツから排除しなくてはいけない暴力的行為に走ることがある。過激なダービーのひとつとして知られるベオグラード・ダービーで事件は起きた。

 このダービーではユーゴスラビア連邦解体後からしばしばフーリガンたちが問題になっている。そしてパルチザンがレッドスターをホームに迎えたこの試合でファンの一部が暴徒化し多数の負傷者そして重篤者を出す事態になった。

 試合終了10分前にパルチザンファンの応援席側で対立する二つのパルチザンファングループ同士のいざこざから発生したとの報道もあるが詳しい経緯やはっきりとした原因はわかっていない。暴徒化したファンたちは地元警察の対応により逮捕されているが流血で汚れた顔での“退場”となっている。

 試合はパルチザンが後半16分にギニア代表MFセイドゥバ・スマーがPKで得点を決めリードしていた。しかしレッドスターは後半39分にガーナ代表FWリッチモンド・ボアキエの得点で追いつくことに成功している。これによりスーぺル・リーガ首位のレッドスターは2位のパルチザンとの差、勝ち点9保持を成功したことになる。

 暴動の有無で試合結果が変化したかどうかはわからない。もちろんそれはスタジアム外でもそうだが確かなことは暴力行為や差別行為などはスタジアムから排除されるべきということだ。このサッカーという素晴らしいスポーツがさらに素晴らしくなれるように、せつにそれを期待したい。