セリエA ミラン

ミラノに熱狂が帰ってきた。中華資本で復活した“青と赤”が魅せた極上のエンターテインメント【MatchSTORY】

 中華資本となり生まれ変わったミランとインテル。今夏、積極的な補強を敢行し血の入れ替えを行ったミランとFFP(フィナンシャル・フェアプレー)の監視対象になりながらも着実に補強を重ねたインテル。15日、ミラノの両雄はサン・シーロで激突した。あまりにも有名なミラノダービーだ。

 シルビオ・ベルルスコーニ氏のパトロン経営が限界を迎え、ズラタン・イブラヒモビッチやチアゴ・シウバの退団と共に低迷していたミランと欧州三冠を成し遂げた主要メンバー、サミュエル・エトーやヴェスレイ・スナイデルの退団により低迷していったインテル。ここ数年のミラノダービーはセリエA史上、最もレベルが低いなどという声も上がっていた。しかし、それも過去の話になろうとしている。

 インテルのホーム扱いとして行われた今シーズン1度目のミラノダービー。首位をひた走るナポリに必死に食らいつきたいインテルと上位争いから脱落しかけているミラン、そのどちらもが勝ち点3を絶対に落とせない一戦となった。先に主導権を握ったのはインテル。インテル監督のルチアーノ・スパレッティ氏が指向する縦に素早いサッカーはミランを苦しめ、先制点を奪った場面もカウンターだった。28分にイカルディのゴールでインテルが先制に成功すると前半はそのままインテルが主導権を握る形で終了した。

 迎えた後半、ミランのビンツェンツォ・モンテッラ監督はすぐに動く。MFフランク・ケシエをFWパトリック・クトローネに交代。アンドレ・シウバとスソの2トップだった前線を3トップにし、スソを慣れしたんだ右サイドでプレーさせた。その効果はすぐに表れた。56分、マテオ・ムサッキオの飛び出す動きに釣られたインテルDF陣はスソにシュートを打つための時間とコースを与えてしまった。見事にコントロールされたシュートはカーブを描きゴールに吸い込まれた。これでミランが1-1と試合を振り出しに戻す。

 追いつかれたインテルは再びカウンターから得点を奪う。62分、ルイス・ビリアからボールを奪ったイカルディは左サイドのイバン・ペリシッチにパスを送る。受けたペリシッチはエリア内を縦に切り裂きイカルディへクロスを供給。見事にイカルディがゴール右隅に流し込み、インテルが勝ち越しに成功する。逆転されたミランは78分に2枚目のカードを切った。DFアレッシオ・ロマニョーリをMFマヌエル・ロカテッリと交代。3バックから4バックに変更。これをきっかけにミランが主導権を握り始める。

 試合も終盤となった80分、ファビオ・ボリーニのクロスにジャコモ・ボナベントゥーラが合わせ、1度は守護神サミール・ハンダノビッチに防がれるもののオウンゴールを誘い、土壇場で2-2の同点に追いつく。このゴールでスタジアムは更なる盛り上がりを見せた。しかし、最後の最後にドラマが待っていた。89分、インテルのCK時にエリア内でリカルド・ロドリゲスがダニーロ・ダンブロージオが倒すと、主審はPKの判定。土壇場でインテルが勝ち越しのチャンスをつかみ取る。この日2ゴールのイカルディが冷静にこれを沈めハット・トリック。インテルが勝利を掴んでいる。

 インテルはこの勝利でセリエA単独2位に浮上した。近年の絶対王者であるユベントスを凌ぐ順位である。一方のミランも敗れたものの、後半のモンテッラ監督の修正能力には評価が集まっている。懸念されていた解任報道もすぐさまクラブが否定している。

 手に汗握る展開となった今回のミラノダービー。両チーム合わせて5ゴールが生まれ、イカルディの劇的なゴールで幕を閉じるという極上のエンターテインメントを見せつけた。イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によれば、過去最高となる480万ユーロの興行収入を記録したという。世界で最も偉大な伝統と格式を誇るダービーマッチの一つ、ミラノダービーの熱狂が帰ってきた。