セリエA

サポーターがスタジアム改修に参加。内田移籍のウニオン・ベルリンとはどんなクラブなのか

 21日、日本代表DF内田篤人のドイツ2部ウニオン・ベルリン加入が決定した。ウニオン・ベルリンとはどのようなクラブなのだろうか。クラブの歴史、スタジアム、サポーターなどについて紹介していこう。

 ウニオン・ベルリンはドイツの首都ベルリンを本拠地とするサッカークラブである。ベルリンを本拠地とするクラブは、原口元気が所属するヘルタ・ベルリンも存在するが、ブンデスリーガのヘルタ・ベルリンとは異なり、ウニオン・ベルリンは旧東ドイツ地区のクラブだ。母体となるクラブは1906年に結成され、東ドイツ政府の主導でサッカークラブの再編が行われたあと、現在のクラブが1966年に発足した。2009年にドイツ2部に昇格して以来、9シーズン連続同リーグで戦っている。

 また、ホームスタジアムは「アルテ・フェルステライ」と呼ばれ、試合前には必ずこのスタジアム名が連呼される。サポーターとスタジアムの間に固い絆があるようだ。実は、2008年から着工した新スタジアム建設の際、2000人以上のファンが無償で改修工事に参加したとのこと。それによって350万ユーロ(約4億5000万円)という額を賄ったそうだ。このような例はドイツでも珍しく、大きな注目を集めた。

 ウニオンといえば、毎年恒例のスタジアムを解放して行われるクリスマスイベントでも有名だ。2003/2004シーズン、3部降格の危機に陥っていたウニオンのサポーターが、スタジアムに無許可で入り込んでパーティーを開催したのが始まりである。そのときは89人しか集まらなかったが、次第に周囲に知れ渡るようになり、現在ではクラブ公認の一大イベントとなっている。毎年2万7000人が集まり、それぞれがクリスマスのコスチュームに身を包んで讃美歌と応援歌を合唱している。

 現在、ウニオン・ベルリンの監督はイェンス・ケラーだ。チームは3節終了時点で2勝1分と6位につけており、今シーズンは昇格が期待される。内田篤人の新しい冒険がウニオンとともに始まった。