ラ・リーガ プレミアリーグ

コウチーニョが本当に必要なクラブはバルサとリバプールどちらなのか。レッズの真の問題を考察する

 しかし、昨季のコウチーニョは背番号10番に求められるリーダシップをみせた。しかし、最も印象的な活躍をみせたのは、リバプールではなくブラジル代表でプレーした時だ。正確に言えば、フォワードとしてネイマールとガブリエル・ジェズスと一緒にプレーしたアルゼンチン戦だった。その後、リバプールでは4ヶ月半で1ゴールに留まったが、シーズン終盤に9試合で7ゴールを記録。コウチーニョのパフォーマンスがリバプールのCL圏内4位を導いた。

 仮にコウチーニョが移籍すれば、代役は新加入選手であるモハメド・サラーとなる。しかし、リバプールは開幕戦のワトフォード戦で3-3の引き分け、そしてCLプレーオフのホッフェンハイム戦ではかろうじて2-1で勝利した。ゴールと攻撃が機能していたことはプラスだが、守備面では明確な問題があった。

 果たして、バルセロナとリバプールのどちらがコウチーニョを必要としているのだろうか。私はクロップ監督はピンチをチャンスに変える必要があると考えている。同選手の退団という“悲しみ”を受け入れ、莫大な移籍金で一流のディフェンダーを獲得するのだ。

 リバプールはコウチーニョ抜きでも、サディオ・マネを左ウイングに移動して昨季のようにシーズンを開幕した。マネは初めてのシュートでゴールを決めた。右ウイングは新加入のサラーで、彼もチェルシーで過ごした最悪のシーズンを経て、多くの経験を積んでイギリスに戻った選手だ。さらに成長が見込めるだろう。ゴール前でチャンスを外すことは多く、ホッフェンハイム戦でも2度利き足でない右足でのシュートを失敗している。それでも、プレミアリーグ開幕戦ではゴールを決め、これからもパスゲームに長けたスペースを作れるロベルト・フィルミーノと一緒にプレーできる。つまり、コウチーニョの代役として素晴らしいプレーをみせる選手がやってきたというわけだ。コウチーニョというテクニカルな選手が去っても、より強靭な肉体を持ったマネと、よりスピードを持ったサラーがいる。

 リバプールは昨季46失点を喫した守備陣を改善する必要がある。この数字は王者チェルシーより9失点、マンチェスター・ユナイテッドより13失点、トッテナムより16失点も多い。クラブが最も獲得を望んでいるのはサウサンプトンのオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクだ。彼はフィジカルは大きな武器だ。

 リバプールの守備陣は足が速い選手に弱い。昨季のデヤン・ロブレンのパフォーマンスは非常に残念だった。しかし、それ以上に、クロスボール、フリーキック、そしてコーナーキックにも弱い。選手個人のミスに加えて組織的なミスも散見される。クロップ監督は多くの修正が必要だろう。しかしながら、身長193cmのGKシモン・ミニョレと、ジョエル・マティプ(195cm)のデヤン・ロブレン(188cm)に加えてファン・ダイク(193cm)を追加した巨大な守備陣を構成すれば、リバプールのディフェンスはもう少し安心してみられるようになるはずだ。

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