アジア Jリーグ

なぜ鹿島は石井監督を解任したのか。浦和を救った“戦犯”森脇の存在

著者:チアゴ・ボンテンポ

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦2ndレグが開催された。30日、川崎フロンターレがムアントン・ユナイテッドを下して準決勝進出を決め、鹿島アントラーズは広州恒大淘宝足球倶楽部と2戦合計2-2で並ぶもアウェイゴール差で敗退した。

 浦和レッズは31日、ホームで済州ユナイテッドと対戦した。延長後半で済州のFWフレデリック・メンディがセットプレーを外した瞬間、浦和は“さらなるACLの惨事”を回避した。ファーポストでフリーだった同選手にボールが渡るのを見て、埼玉スタジアムの約2万人の心臓は一瞬止まりかけた。ほんの軽い蹴り込みで全てが終わる。直近の敗退の記憶が多くの人々の心に蘇ったことだろう。しかし、なんとかボールはゴールに入らず、浦和は生き残った。

 その2分後、DF森脇良太が追加点を決め浦和が2戦合計3-2と逆転に成功すると、スタジアム全体が歓喜に沸いた。サッカーではどれだけ一瞬にして攻勢が入れ替わるか、どれだけ細かいディテールが試合を決定づけるか、ということに改めて驚かせられる。

 森脇は、浦和の守備の脆さの主な原因としてサポーターからたびたび批判されてきた。たしかに彼のポジショニングや守備に対する総合的な貢献はあまり評価できるものではない。しかしながら、チームを9年ぶりとなるACL準決勝に導いた決勝ゴールは、認められるべき功績となった。同試合で森脇は守備面でも素晴らしいプレーをみせている。

 浦和にとって、一度でも相手に得点を許せば致命的となる試合だった。いかなるミスの余裕もなかった。彼らは無失点を達成し、試合の終了間際でさらなる大きな試練を避けた。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、たびたび守備面が危うくなる全面的な攻撃戦術を続けた。浦和は8試合連続で勝利を収めてきたものの、多すぎるカウンター対処を防ぐために守備方法を強化する必要がある。サポーターの心臓にも良くないであろう。






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