ブンデスリーガ 海外日本人選手

ブンデス王者は5連覇でも満足せず。成長著しいRBの存在と危機迫るドルトムント

 東ドイツを拠点とする昇格してきたばかりのライプツィヒはリーグ戦で2試合ともにバイエルンに敗れているが、ラルフ・ハッセンヒュッテル監督はドイツ王者をあわや敗戦というところまで追い詰めた。チーム平均年齢は24歳であり、バイエルンよりも約4歳若いチームとなっている。レッドブルがメインスポンサーであるライプツィヒは「伝統」のなさ(2009年クラブ創設)から多くの人たちに嫌われているが、ブンデスリーガ特有のスピードに乗った攻撃的なサッカーでわずか7年の間に5部からブンデスリーガまで上り詰めている。

 ハッセンヒュッテル監督はインゴルシュタットで既に実績を残しており、現在のライプツィヒではより良い多くの資源で自身のサッカー哲学を実現させる機会を得ている。ティモ・ヴェルナー、ナビ・ケイタ、ユスフ・ポウルセンといった若くて才能のある選手たちを中心にすぐにチャンピオンズリーグ出場圏内までチームを導き、ブンデスリーガ最初のシーズンで現在はバイエルンのライバルであるドルトムントよりも上位につけている。ライプツィヒは主に23歳以下の選手を獲得し、その選手たちをスターに成長させるという考えに基づいたクラブである。今のところ上手くいっているように思えるが、同クラブが来シーズンに本当の意味で強いチームとなり得るのかも注目すべきポイントだろう。

 一方で、日本代表MF香川真司が所属するドルトムントはブンデスリーガ優勝から遠ざかってしまった。CL出場圏内の3位、ポカール決勝進出を果たしたとはいえ、今季を理想的なシーズンとは言えない。シーズン中の多くの負傷、批判、噂により、簡単なシーズンとはならなかった。特にストライカー、FWピエール=エメリク・オーバメヤンのレアル・マドリードのようなビッグクラブへの移籍の噂には悩まされた。チャンピオンズリーグ準々決勝モナコ戦前のバス爆破事件も大会敗退に影響してであろうし、同大会からの敗退はトーマス・トゥヘル監督とCEOハンス・ヨアヒム・ヴァツケ氏の関係にまで影響を及ぼした。ドルトムントはオフシーズンを前に、5月27日(土)フランクフルトとのポカール決勝戦に勝利し、タイトルを勝ち獲ることができるのだろうか。

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