
この夏、ガンバ大阪監督を退任したイェンス・ヴィッシング氏が、新天地のサウジアラビア1部アル・イテハドで早速成果をあげている。日本代表DF板倉滉、DF橋岡大樹、MF宇野禅斗、FW町野修斗ら擁するボルシアMGからのオファーを拒否したとみられるドイツ人指導者の仕事ぶりが、現地で話題になっている。
中東メディア『kooora』は2日に「若きドイツ人監督とともに戦術的に変貌するアル・イテハド」という見出しのもと、ヴィッシング監督の指導法やチームマネジメントを特集。同クラブはFWクリスティアーノ・ロナウドやFWジョアン・フェリックスら擁するなか、今季のサウジアラビア1部リーグ7試合を終えた時点で5勝2分。9月は3戦全勝とスタートダッシュに成功しているが、その要因を以下のように伝えている。
「注目すべきは、ヴィッシングが自身の考えを浸透させるために何年もの時間を必要としなかったことだ。約2カ月の間に、まるで長期間ともにプレーしてきたかのようなチームを作り上げた。アル・イテハドに生まれた集団としての一体感、そしてボールが危険なエリアから離れている状況でも各選手が自身の役割を遂行する能力に、それがはっきりと表れている」
「ヴィッシング率いるアル・イテハドを見て最初に目を引くのは、チームが一人の選手に違いを生み出す役割を依存していない点である。チーム全体が一つのグループとして動き、ボールは素早く動かされ、選手たちは互いのために動く。一人の選手の動きが、別の選手のためのスペースを生み出していく」
「アル・イテハドがボールを保持するとき、単にボールをキープすることだけが目的になるわけではない。DFの背後にあるスペースを素早く探し、守備ラインを切り裂く直接的なパスや、攻撃へのトランジションで活用するロングボールなどを繰り出していく」
「守備から攻撃へのこの素早い切り替えによって、アル・イテハドは相手が守備陣形を整える前に攻撃を仕掛ける大きな力を得ている。特に、スペースを活用し、守備ラインの背後へ走り込むことのできる選手を擁している点は大きい」
「さらに重要なのは、このスタイルが最後のパスの質だけに依存していないことだ。チーム全体が連動して動くからこそ成立する。FWが動き、ウイングが中央へ入り、SBが前進し、MFがスペースを確保する。その結果、攻撃は個人技による解決を待つのではなく、連動した動きの連続となる」
「アル・イテハドがボールを失うと、ヴィッシングの組織による別の段階が始まる。それは、後退してペナルティーエリア付近で相手を待つのではなく、できるだけ早くボールを奪い返そうとする動きだ。集団でボールホルダーにプレッシャーをかけ、その周辺のスペースを選手たちが狙う。相手に素早い判断を強いることで、再びボールを失わせようとする」
「ここで重要になるのが、各ライン間の意思疎通である。一人の選手だけが動いてもプレッシングは機能しない。そのため現在のアル・イテハドでは、選手たちが一つの塊のように動く場面が見られる。MFがウイングと連動して前進し、SBがスペースを狭め、FWがDFにプレッシャーをかける」
「この方法はアル・イテハドにさらなる優位性をもたらす。高い位置でボールを奪えば、後方から攻撃を組み立てる必要がなく、そのまま相手ゴールへ向かうことができるからだ。これは、ヴィッシングが志向する速く直接的なサッカーとも合致している」
同メディアは「単なる個人の集合体としてプレーしているのではなく、一つの考え方に従って動く選手たちの集団として機能している。ヴィッシングはわずか60日で、より組織的で一体感のあるチームに変えた」「ロナウドも組織的な戦いを志向するヴィッシングに満足している」と締め括っている。
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