
東京ヴェルディのアカデミーで育ち、国士舘大学を経てモンテネグロ2部のロブチェンでプレーする坂巻日向が、日本サッカー育成の強みと、海外でのキャリア構築の現実について語った。日本で培った技術と判断力がどのように海外で通用するのか、そして多くの選手が知らないキャリアの築き方が明かされている。
坂巻が東京Vのアカデミーで学んだのは“考えるサッカー”だった。ポゼッションを軸とした戦術の中で、ワンタッチかツータッチかの判断、チーム全体で動く意識を徹底的に叩き込まれたという。「ゴール前では落ち着いてキーパーを見る」という教えは、現在でも自身のプレーの軸となっている。
その後進学した国士舘大学では一転し、走力とフィジカルを前面に押し出すスタイルの中でプレー。技術に加えて強度を身につけることで、プレーヤーとしての幅を広げた。
しかし、海外への道は順調ではなかった。高校時代から度重なる負傷に苦しみ、大学4年時には鎖骨を骨折。JFLクラブへの練習参加も白紙となり、現役続行を断念しかけたという。そうした中、家族の言葉をきっかけに再びサッカーへの思いを取り戻し、海外挑戦へと舵を切った。
転機となったのは、海外サッカー市場に関する情報だった。坂巻は、欧州トップリーグを目指すだけでなく、まずは小国リーグで実績を積み、そこからステップアップしていくという現実的なルートを知る。「海外市場をもっと早く知っていれば考え方は変わっていた」と振り返るほど、その影響は大きかった。
実際にモンテネグロへ渡ると、想像以上のフィジカルの差に直面した。フォワードとしては190cm級のセンターバックに苦しんだが、サイドハーフへポジションを移すことで状況が一変。スピードや一歩目の速さといった自身の強みが発揮され、日本で培った技術と判断力が武器として機能し始めた。
ロブチェンでの1年目は出場機会に恵まれない時期もあったが、「チャンスが来た時に結果を出す」という姿勢を貫き、最終的に23試合出場6ゴールを記録。厳しい環境の中でも結果を残し、海外でのキャリアを切り拓いた。
日本の育成で培われる思考力や規律、技術は海外でも通用する。一方で、キャリアの築き方や環境への適応力といった要素が重要であることも、坂巻の経験は示している。
なお、坂巻日向のフルインタビューはユーロプラス公式noteで公開されている。
コメントランキング