
サウジ・プロリーグにも広がる動揺
さらに、FWクリスティアーノ・ロナウドなど世界的スターが多数在籍するサウジアラビアのプロリーグ(SPL)でも混乱が広がっている。
SPLの運営側は各クラブに対し「安全対策のプロトコルは機能しており、リーグ戦は予定通り続行する」との通達を出した。しかし、サウジアラビア防衛省によれば、首都リヤドにある在サウジアラビア米国大使館がイランのドローン攻撃の標的になったとされており、安全性をめぐる懸念は依然として残っている。
現場のスタッフや外国籍選手の間には強い不信感と恐怖が蔓延しており、ある関係者は「SPLは安全だと主張しているが、国の危険警告と矛盾している。多くの外国籍選手はすでに家族を国外へ避難させており、この地域から抜け出したがっている」と証言。選手たちがプレーを拒否すれば、リーグが一時中断に追い込まれる可能性も十分にある。
フィナリッシマやチャンピオンズリーグの開催危機
また、中東情勢の緊迫化は、中東地域にとどまらずヨーロッパのサッカーカレンダーにも影響を及ぼし始めている。カタール政府は、イランからのミサイルやドローン攻撃の標的になったと主張しており、これにより日本時間3月28日にドーハで開催予定だった『フィナリッシマ(欧州王者スペイン代表vs南米王者アルゼンチン代表)』の開催は絶望視されている。この大会は1985年に創設され、長らく中断されていたものの2022年に復活したばかりの注目のビッグマッチだが、現状では開催自体が危ぶまれている。
同様に、AFCチャンピオンズリーグエリート西地区の試合開催も不透明な状況が続いている。開催予定だったラウンド16の一部試合はすでに延期されており、準々決勝・準決勝・決勝を西地区で実現できるのか疑問が残る。
サッカー界に求められる難しい舵取り
ミサイルが飛び交い空域が閉鎖される現実の前では、「スポーツと政治は別」という理想はあまりにも脆い。
アメリカ・イスラエルとイランの衝突によって悪化した中東情勢は、2026年W杯の開催環境そのものを揺るがす火種を抱えている。また、安全が担保されない中東地域のプロリーグで、外国籍選手がいつまでプレーを続けられるのかという問題も残されたままだ。
FIFAやAFCは、選手の安全を最優先に確保しつつ、公平な競技スケジュールをどのように再構築するのか。世界中のサッカーファンが、かつてないほど困難な決断の行方を見守っている。
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