
2025明治安田J1リーグはシーズン前半が終わり、早くも折り返しの時期に差し掛かっている。6月29日時点で首位を走るのは勝ち点41の鹿島アントラーズ。2位には同じ勝ち点の柏レイソル、3位に今季台風の目である京都サンガが続いている。
現時点で中位や下位に沈んでいるチームも後半の成績次第では大きく順位を上げ、残留争いから脱することも十分に考えられる。ここでは、直近の戦いぶりやチームの台所事情から、シーズン後半に大幅ジャンプアップが期待される4クラブを紹介する。
※記事内データは6月29日時点

町田ゼルビア
- 順位:8位
- 勝ち点:34
- 得失点差:5
- 6月の補強選手:なし
パスサッカーやカウンターサッカーを志向するチームが多い中、ロングフィードやロングスローを多用する独自のスタイルで注目を集めている町田ゼルビア。これは黒田剛監督がチームに落とし込んだ戦術だ。空中戦や地上戦に絶対的な強さを誇るFWオ・セフンや、2024年に行われたパリオリンピックでU-23日本代表にも選出されたFW藤尾翔太らが攻撃陣を牽引し、J1昇格初年度ながらリーグに旋風を巻き起こした。
シーズン序盤はまずまずの成績であったが、4月から5月にかけて失速。鹿島アントラーズやヴィッセル神戸、サンフレッチェ広島、京都サンガなど上位組に喫した黒星の影響もあり、中位に留まっている。昨シーズンはJ2で9ゴールとチームの得点源だった藤尾がここまでは20試合2ゴール。オ・セフンも19試合1ゴールといまいち波に乗れていない。それでも町田は、直近2連勝と安定した戦いを見せている。藤尾やオ・セフンが得点量産体制に入れば、一気に躍進してくるだろう。

FC東京
- 順位:16位
- 勝ち点:26
- 得失点差:-7
- 6月の補強選手:FW長倉幹樹、GKキム・スンギュ、DFアレクサンダー・ショルツ
シーズン前半は攻守ともにかみ合わず、一時はJ2自動降格圏の18位にまで順位を落としたFC東京。ここまでチームを低迷させている要因は「守備の脆さ」ではないだろうか。現時点で総得点「24」はリーグ13位だが、総失点「31」はワースト3位である。
この状況を打破すべく、クラブは6月に大型補強を敢行。昨シーズンのルヴァンカップ得点王(当時はアルビレックス新潟所属)であるFW長倉幹樹を浦和レッズから期限付きで獲得したほか、ベルギーのロイヤル・アントワープに移籍したGK野澤大志ブランドンの後釜には、アル・シャバブ・サウジ(サウジアラビア)からGKキム・スンギュを迎え、カタールのアル・ワクラSCからDFアレクサンダー・ショルツも獲得した。
残留争い同士の対決となった6月25日の横浜F・マリノス戦(0-3)では、挨拶代わりの移籍後初ゴールをマークした長倉。6月28日の横浜FC戦(2-1)でも1ゴールを挙げ、2試合連続ゴールを記録した。一方、守備に目を向けると、横浜FC戦でショルツが4バックの右CB(センターバック)で初スタメンに名を連ねている。PKの失敗はあったものの、対人の強さを見せつけるなど今後の活躍を期待させる働きを見せた。シーズン後半、連携が強化されれば盤石の守備が構成されそうだ。
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