
2025明治安田J2リーグは、6月15日時点で第19節までを消化。勝ち点38で首位を走るのは、開幕6連勝と好スタートを切ったジェフユナイテッド千葉である。昨シーズンまでエースとして欠かせなかったFW小森飛絢(現・浦和レッズ)の移籍などもあり、開幕当初は不安視されていたが、蓋を開けてみるとロアッソ熊本から完全移籍したFW石川大地や清水エスパルスで活躍していたFWカルリーニョス・ジュニオら新加入組の台頭が大きかった。リーグ2位には、千葉と同じ勝ち点の水戸ホーリーホック、3位にはJ2昇格初年度のRB大宮アルディージャ(勝ち点36)が並んでいる。
その他クラブも自動昇格、昇格プレーオフ圏内に入る可能性は十分に残されている。昨2024シーズンはモンテディオ山形がクラブ新記録となる9連勝を達成し、第24節終了時13位だった順位を4位まで上げプレーオフ進出に成功している。
ここでは、直近の戦いぶりやチームの台所事情などを踏まえ、大幅ジャンプアップのポテンシャルを秘めていると筆者が考える4クラブを紹介していく。
※記事内のデータは6月16日時点

V・ファーレン長崎
- 順位:8位
- 勝ち点:28
- 得失点差:0
- 6月の新加入選手:DF江川湧清
1チーム目はV・ファーレン長崎。9ゴールでリーグ得点ランキングトップタイのMFマテウス・ジェズスをはじめ、FWファンマ・デルガドやMF増山朝陽らがチームを牽引し、J2屈指の攻撃力でリーグを席巻。開幕から6戦負けなしと好スタートでリーグの先頭集団に名を連ねている。
しかし、第7節の藤枝MYFC戦から第13節の愛媛FC戦まで7戦勝ちなしと急ブレーキ。第19節終了時点で総失点数「32」はリーグワースト3位。これに反して総得点数「32」は千葉と並びリーグトップタイと、課題が守備であるのは明確だ。
この状況を打破すべく、特別登録期間内の6月4日にガンバ大阪からDF江川湧清を完全移籍で獲得。対人の強さが武器の江川は、2019~2022シーズンにも長崎でプレーしている。
さらに、J2屈指のサイドアタッカーで怪我から復帰組のMF笠柳翼やMF松澤海斗らのコンディションが徐々に上がっていることも、昇格圏内にジャンプアップする好材料といえる。下平隆宏監督がどのような方策を講じるのか注目だ。

ジュビロ磐田
- 順位:6位
- 勝ち点:32
- 得失点差:+6
- 6月の新加入選手:DFヤン・ファンデンベルフ、FWポラメート・アーウィライ
2チーム目は、昨シーズンのJ1で18位となり、J2へと降格したジュビロ磐田。昨年まで横浜F・マリノスを指揮していたジョン・ハッチンソン氏を新監督に招聘し、2シーズンぶりのJ2を戦っている。
攻撃的なサッカーを目指す新指揮官の下で挑んだ今シーズンはまずまずの滑り出し。第8節時点で2位につけていたが、第8節の山形戦から第13節の今治戦までで6戦勝ちなしと突如歯車が狂ってしまう。
しかし、第14節の北海道コンサドーレ札幌戦で勝利を挙げると、直近6試合は4勝2分で勝ち点を14ポイント稼いでいる。ここ5試合の成績を見ると、7連勝中の水戸に次ぐ勝ち点を挙げている。
1年でのJ1昇格を至上命題の磐田は、更なる戦力アップを図るべく大型補強を敢行。6月2日にNACブレダ(オランダ1部)からセンターバックを主戦場とするDFヤン・ファンデンベルフを完全移籍で獲得したほか、ムアントン・ユナイテッド(タイ1部)からFWポラメート・アーウィライも期限付きで獲得している。首位と6ポイント差でリーグ前半を折り返した磐田。後半戦は上位陣を猛追するだろう。
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