代表チーム オーストラリア

豪州代表ポポヴィッチ監督、ASEAN三菱電機カップ参戦を希望

トニー・ポポヴィッチ監督 写真:Getty Images

 元サンフレッチェ広島で、昨2024年10月からオーストラリア代表を率いているトニー・ポポヴィッチ監督(51歳)は1月27日に『ESPN』に対し、チーム力の強化と選手のスキル向上に繋げるため、オーストラリア代表をAFFカップ(現ASEAN三菱電機カップ)に出場させたいとコメントした。

 ASEAN三菱電機カップは、東南アジア最強を決める2年に1度の国際大会。直近では2024年末に開催され、ブラジル出身のFWグエン・スアン・ソン(元ベガルタ仙台ラファエルソン)の活躍などにより、ベトナム代表が3度目の優勝を飾っている。

 オーストラリアサッカー連盟(FFA)は2006年にオセアニアサッカー連盟(OFC)からアジアサッカー連盟(AFC)に転籍。2013年にはASEANサッカー連盟(AFF)の一員となり、現在は元FFA会長のクリス・ニコウ氏がAFF執行委員会に名を連ねている。

 AFF加盟以降、東南アジアで開催されるアンダー世代の国際大会に、男女の代表チームを送り出してきたオーストラリアだが、東南アジアのレベルが低いことなどを理由にA代表をAFFカップに出場させたことは一度もない。

 しかし、タイ代表、ベトナム代表、インドネシア代表といった域内の強豪国がワールドカップ・アジア最終予選に進出するようになり、この10年あまりで東南アジアサッカーも大きく発展。現在開催中の2026FIFAワールドカップ(W杯)アジア最終予選では、オランダ系帰化選手で強化したインドネシアが最終予選を戦っており、サウジアラビア代表に2-0で勝利し、オーストラリアと0-0で引き分けるなど健闘中。インドネシアは第6節を終えた現時点で、1勝2敗3分でグループC2位につけており、勝ち点1差で2位オーストラリアを追っている。

 こうした状況を受け、オーストラリアはチーム力強化のため、AFFカップ参戦を検討。グラハム・アーノルド前監督(元サンフレッチェ広島)が以前に参戦の可能性を示唆していたが、後任のポポヴィッチ監督も、「AFFカップに出場できれば喜ばしいこと。チームとして、できるだけ多くの試合をこなしたいし、選手が国際大会から得るものは多い。U-17、U-20、U-23も東南アジアの大会に出場すべき。国際大会の経験はお金では買えないものだ」とコメントして賛同した。

 なお、ポポヴィッチ監督率いるオーストラリアは、3月20日に行われるW杯アジア最終予選グループCの第7節でインドネシアと対戦する。インドネシアでは年始に韓国人のシン・テヨン監督が解任され、新監督にオランダ人のパトリック・クライファート監督が就任した。