かつて北海道コンサドーレ札幌でプレーしていたタイ代表MFチャナティップ・ソングラシンは先月、川崎フロンターレからタイ1部BGパトゥム・ユナイテッドへ完全移籍。川崎時代に抱いていた疑問や母国復帰の経緯を明かした。
チャナティップは2017年7月にタイ1部ムアントン・ユナイテッドから札幌へ移籍。四方田修平前監督やミハイロ・ペトロヴィッチ監督のもとで結果を残し、2018シーズンのJリーグベストイレブンに選出された。
そして昨年1月には札幌から川崎へ完全移籍。5億円弱という巨額の移籍金に注目が集まっていたが、昨季は度重なる負傷離脱もあり、J1リーグで15試合の先発出場。今季もここまでリーグ戦で2試合の出場と出場機会を得られず、母国復帰に至っている。
そんなチャナティップは今月、パトゥムの公式YouTubeチャンネルに登場。川崎時代について以下のようなコメントを残した。
「僕にとって難しかったのは、すでに優勝をたくさん経験しているチームに移籍したということ。優勝を経験したコーチや選手に囲まれている中、僕自身が一度も優勝したことのないサッカー選手であるということが一番辛かったね」
「どうすれば試合に出られるのか、どう自分を証明したら、ずっと試合に出してもらえるのか考えていた。もっとうまくやれなかった自分に対して失望しているよ」
「川崎での時間が失敗だと思うか?と聞かれると、おそらくそうだね。だけど『Jリーグでの7年間が失敗だったか』という問いにはノーと答えるね」
「本当はタイに戻ることは、僕の考えにはなかったんだ。チームが連敗している時、僕はベンチにいた。親善試合では良いプレーをしていたのにね。『なぜ僕はメンバーに選ばれなかったのか?』と心の中で疑問を持ち始めたね」
さらに同選手は移籍を決断したタイミングも告白。ルヴァンカップの試合でメンバー外となった時の心境を振り返っている。
「僕はウォーミングアップを初めて、心の中で『カップ戦だからプレーできる』と思っていた。だけどメンバーが発表された時、僕はベンチメンバーにさえ入っていなかった。その時にもう我慢しないと決めたね。もう十分耐えてきたんだ」
さらにチャナティップは移籍決定直前に鬼木達監督と2時間近くにわたって話す中、「チームが負けた時、僕はプレーする準備ができているのに、なぜチャンスを与えてくれなかったのか」と疑問を投げかけると、「戦術面を考えすぎた。プレー時間を与えられなくて申し訳ない」と謝られたという。
その上で指揮官から「このチームの中で技術的なスキルを持っているのは、家長昭博、大島僚太、チャナティップの3人だけだ」と評価されると、チャナティップは「そんなにスキルがあるのならば、なぜプレーさせてくれなかったのか」となおさら疑問に思ったとのこと。ただ一方で「守備の局面でアグレッシブでなかったことが(出場機会を増やせなかった)理由かもしれない」と分析している。
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