Jリーグ 湘南ベルマーレ

湘南OBが平塚市長批判も。新スタジアム計画巡り物議「税金の無駄遣い」

湘南ベルマーレ 写真:Getty Images

 神奈川県平塚市の落合克宏市長は、今月30日の定例会見で明治安田生命J1リーグ湘南ベルマーレの新スタジアムの建設計画に言及。「大変残念」と否定的なコメントを残す中、湘南OBの馬場賢治氏が市長の発言に反発。馬場氏のSNS投稿に賛否両論が集まるなど、スタジアム計画に関する議論が白熱している。

 湘南は今年1月、ホームタウンにおけるサッカー専用スタジアムの建設計画の推進を目的として『株式会社湘南メディアスタジアム』を設立。同社は今月、平塚市に対してスタジアム計画案を提出。現在のホームスタジアム(レモンガススタジアム平塚)がある平塚市総合公園の中に建設する構想がある。ただスタジアムの建設費は140億円にのぼるとみられ、平塚市に対して70億円の拠出を求めているという。

 この提案に対して、落合市長は反発。クラブに対して以前から総合運動公園の中には建設できないと伝えていたこと、くわえてクラブから「税金で何とかしてくれとは思っていない」と言われていたことを明らかにした上で「今回はかなり無理な提案を一方的に突き付けられたと感じている。これは協議なのかという思いもあり大変残念に思っている」と不満をのぞかせている。

 すると馬場氏は30日夜、自身のツイッターアカウントを更新。「自分の街にプロスポーツチームがあることがどれだけ幸せか当たり前に思ってる人は気づかない。ほんで後ろの看板めちゃくちゃベルマーレカラーやん」と落合市長の発言を批判している。

 この馬場氏の投稿には「失わないと気づかないんです」「馬場さんの言うこと分かる」「地元にスポーツチームがある幸せをたくさんの人たちに知ってほしい」と賛同意見が寄せられる一方、「ベルマーレ側の提案内容が幼稚すぎる」「議論放棄して約束守ってないのは明らかにベルマーレ側だと思う」「70億円の価値あるか」「行政はスポーツチームの奴隷じゃない」と湘南に対する厳しい声も。

 「Jリーグはスタジアム維持費も稼げない不採算性、そして天然芝制限ゆえの公共性の悪さゆえ厳しい現実はある」「練習場とスタジアムの周辺だけが地元じゃない。サポーター以外の人も住んでいる」といった客観的な意見もある。

 また落合市長のコメントに対しては「ベルマーレはちゃんと根回ししてたのかな?」「お互いの意見がすれ違いすぎて風通しが悪くなっている…」「税金の無駄遣い」「ベルマーレは平塚市から出ていくのかな…」といった声が上がっている。

 なお馬場氏は2008年に近畿大学からヴィッセル神戸へ加入。湘南では2010年に神戸からの期限付き移籍により在籍していたほか、2012シーズンから2年間プレー。2014年に湘南から水戸ホーリーホックへ期限付き移籍すると、その後はカマタマーレ讃岐、大分トリニータ、FC岐阜、鹿児島ユナイテッドFCと渡り歩き、2021年1月に現役引退を表明している。