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東南アジアSEA Games、インドネシア32年ぶり金。レッド7枚大荒れの決勝

U-22インドネシア代表 DFアルハン 写真:Getty Images

 カンボジアで開催中の第32回東南アジア競技大会(SEA Games)決勝が、5月16日、首都プノンペンのオリンピック・スタジアムで行われ、U-22インドネシア代表がU-22タイ代表を延長戦の末に5-2で下して32年ぶりとなる金メダルに輝いた。SEA Gamesは東南アジア版オリンピックと呼ばれる注目の大会。

 グループリーグで、本田圭佑GM(ゼネラルマネージャー)率いる開催国カンボジアを2-1、準決勝でフィリップ・トルシエ監督が率いるベトナムを3-2で下して決勝まで勝ち上がったインドネシアは、決勝でもその実力をいかんなく発揮した。

 今大会、特に目立ったのがインドネシアのロングスローからの得点パターンだ。準決勝ベトナム戦ではDFアルハン(東京ヴェルディ)のロングスローから2得点。決勝タイ戦でもDFデワンガのロングスローから1得点を挙げており、驚異のセットプレーとして猛威を振るった。

 決勝では、前半に2点を先取して押し気味に試合を進めたインドネシア。しかし1点リードで迎えた後半アディショナル(AT)90+7分、タイ側のセットプレーを告げる笛を試合終了のホイッスルと勘違いしたインドネシアのコーチ陣が歓喜に沸いてピッチになだれ込む珍事の後、集中が切れたのかラストプレーでまさかの失点。土壇場で2-2のイーブンに戻される。この時、タイのメンバーがインドネシア側のテクニカルエリアまできてゴールを喜んだため、衝突が起こった。

 延長戦では、開始早々にインドネシアがタイ守備陣のミスを突いて勝ち越しゴールを奪ったが、この時も双方の選手とベンチが激しく衝突。結局、延長戦では、双方の選手・コーチに対して、合わせて7枚のレッドカードが提示される大荒れの展開となった。最終的に8人となった数的不利のタイを、10人のインドネシアが蹂躙する形となり、5-2で勝利。インドネシアは1991年大会以来となる金メダル、大会がU-23対象となった2001年以降(現在はU-22対象)では初の金メダル獲得となった。