プレミアリーグ トッテナム

アニキ的存在!トッテナムDFエリック・ダイアーのハートフルなエピソード3選

ジョゼ・モウリーニョ監督(左)エリック・ダイアー(右)写真提供:Gettyimages

マン・オブ・ザ・マッチはトイレ!?

2020年9月30日カラバオ・カップ第4ラウンド、トッテナム対チェルシー。ロンドンに拠点を置くクラブ同士の重要な試合でダイアーはとんでもない行動に出る。試合は19分にティモ・ヴェルナーによってチェルシーが先制。巻き返しを図りたいホームチームだったが、スタートから出場していたダイアーは後半途中に突然ピッチから離れトイレへと向かった。

なんとお腹を壊したのであった。中々戻ってこないダイアーに対してジョゼ・モウリーニョ監督は大激怒。ダイアーを迎えに行こうとする様子をカメラが捉えている。

ダイアーがトイレ中、チェルシーには決定機が訪れたもののシュートは枠外へ。何とか先制点以上の失点と、自身の失禁を無事免れることができた。私たちの想像を裏切るような豪快な行動ができるというのもアニキに求められる人物像なのかもしれない。試合はPK戦の末、トッテナムが勝利を収めた。


エリック・ダイアー 写真提供:Gettyimages

すべてのイングランド人が望んだタックル

2018年10月16日UEFAネーションズリーグ第4節、スペイン対イングランド。イングランド代表としてスタメン出場を果たしたダイアーは男気溢れる行動に出る。前半12分相手陣内でボールを保持するスペイン代表セルヒオ・ラモスに対して、数メートル先から猛ダッシュで向かい強烈なスライディングを仕掛けたのだった。もちろん正当なタックルとは言えず、イエローカードをもらいスタジアムは大ブーイングに包まれた。

しかし、この単なる悪質な愚行とも言えるかもしれないプレーに対して、不思議なことに「よくやった。清々しい」とファンは大いにダイアーを称賛したのだ。特にリバプール方面からその声が大きかった。一体なぜなのか。

この試合の数ヶ月前に行われた2017/18チャンピオンズリーグ決勝。リバプールは14年ぶりとなるビッグイヤー獲得に向けてレアル・マドリードとの対峙に意気込むも、試合は思わぬ形で劣勢に立たされる。前半30分にチームのエースであるモハメド・サラーが負傷退場したのだ。

その負傷の要因がセルヒオ・ラモスのラフプレーだった。ボールを追うサラーの右腕をラモスがロックし、そのままサラーはピッチに倒れ込んでしまった。肩を痛めてピッチを去るサラーの目は涙に溢れていた。もしラモスの悪質なプレーがなければリバプールは勝利していたかもしれないと、リバプールファンのラモスに対する因縁が生まれたのだった。

そんな背景があった中、ダイアーの豪快なラモスへのスライディングはリバプールファンの報われない想いを一変してくれるようなプレーだったのだ。決して褒めることはできないものだが、ウィットに富んだ国民性を映し出すイギリス人にとってはたまらない出来事となった。

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名前:秕タクオ

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サッカー観戦が日課のしがないサラリーマンです。かれこれ人生の半分以上はサッカー観戦に明け暮れ、週末にはキルケニー片手にプレミアリーグやJリーグにかじりついています。

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