ヴィッセル神戸 北海道コンサドーレ札幌

【試合を終えて】北海道コンサドーレ札幌vsヴィッセル神戸 監督・選手コメント

 明治安田生命J1リーグ第10節・北海道コンサドーレ札幌対ヴィッセル神戸が4日午後に札幌ドームで行われ、北海道コンサドーレ札幌が2-1で逆転勝利を収めた。

 約34500人のファンが詰めかける中で行われた注目の一戦は、3分にヴィッセル神戸の元スペイン代表FWダビド・ビジャがペナルティエリア内からファーストシュートを放つと、コンサドーレも積極的にゴールを狙う姿勢を打ち出す。

 両チームともに少ないタッチ数でパスを回す志向が強く、非常にテンポの速いゲーム展開となる中、多くの決定機を作るものの前半はスコアレスで終了。

 後半も前半と変わらずテンションの高い状態で試合は進むが62分、日本代表DF西大伍がFW古橋亨梧からのパスを受けてペナルティエリアに侵入すると、コンサドーレ守備陣に倒されPKを獲得。これをビジャが冷静に沈め、ヴィッセル神戸が先制する。

 しかしコンサドーレも68分、右サイドからのFKのこぼれ球をDF進藤亮佑がバイシクルで叩き込み、すかさず同点に追いつく。さらに74分、鈴木が右サイドからのクロスにヘディングで合わせると、これがゴールマウス右隅を揺らし、わずか6分間で逆転に成功する。

 その後も両チーム拮抗した展開となるが、試合はこのまま2-1で終了。コンサドーレは公式戦6連勝を飾った一方、ヴィッセルは監督交代なども経て5連敗となっている。


1、ヴィッセル神戸:吉田孝行監督

(記者会見場において)

・試合総括

「前半に関しては、うちが今日やろうとしていたことを相手にやられたという印象がある。特にブロックを組んでも裏にスペースを与えてボールホルダーにしっかりとFWからプレスにいくのか、いくならばラインを高く保たなければならないし、いかないのであればもう少しブロックを落とさなければならない。そういうところで裏(のスペース)や対角線のパスで結構やられたが、最後のところでみんなが何とか持ちこたえていた」

「後半にはそのような部分を修正した。プレスにいくときはもっとはめていく、そして攻撃の時も、(相手は)後ろで引いていたので、もう少しセンターバックのところで慌てずにしっかりと繋ぎながら、サイドバックにボールが渡った局面で2対1の状況を作って主導権を握ろうとした。後半多少改善して点をとれたけど、不用意にカウンターを受けるシーンも多かったし、まだやらなければならないことがある」

‐4-4-2の布陣にした狙いは

「もう少し相手の背後を意識した戦い方をしたいと思っていた。ただ自陣に引いた相手でも選手が連動してアクションを起こすことによって穴は出てくると思う。そのような部分をもう少し全体が意思疎通できれば良かった。ただ裏ばかりになると難しいので、間で選手が(パスを)受けることも大事だと思った」

-この試合では今季初出場の選手を多く起用していたが、監督の意図と試合全体を通してどれだけ反映できたのか

「宮や橋本は集中してプレーしていた。郷家も裏(のスペース)を狙ったり、間で受けようとしていた。負傷者が多い中で出場した選手が頑張ってくれたらと思う」

-イニエスタ、ポドルスキの欠場が続いているが

「まだ(チームに)合流できていない」

-連敗が続いてチーム状況が苦しい中、どのように立て直すのか

「自分たちがやるべきことを明確にして、全員が同じ絵を描いてやるしかない。チームがバラバラな絵を描いていたら違う方向にいく」


2、北海道コンサドーレ札幌:ミハイロ・ペトロヴィッチ監督

(記者会見場において)

・試合総括

「直近の試合で5連勝と、自分たちが良い試合をして勝利することによって今日のような素晴らしい舞台を作り上げることができた。その舞台を選手たちには楽しむように試合前に選手たちには伝えた。この北海道・札幌、このホームゲームにおいて、このように多くのサポーターが来る中でできたことを非常に幸せに思っている。そして90分を通して自分たちがこれまで積み上げたものを表現できることを証明することができたと思っている」

「前半は非常に素晴らしかった。いくつか決定機を作っていたが、その決定機をなかなか生かしきることができなかった。得点こそできなかったが、(前半終了時に)リードしていてもおかしくなかった」

「後半は不運な形で失点し、非常に難しい試合展開になった。ただそのような状況でも選手たちは何が何でも勝つという強い気持ちを見せてくれた。今日は特にサポーターの皆さんが難しい試合展開の中でも選手たちを後押ししてくれた。そのような素晴らしいサポーターの後押しや選手たちの何が何でも勝つという強い気持ちが逆転勝利という結果に結びついた」


3、北海道コンサドーレ札幌:進藤亮佑

(ミックスゾーンにおいて)

‐リーグ戦4連勝の率直な感想は

「単純にすごく嬉しい」

-令和になってコンサドーレ初ゴールが進藤選手から生まれた

「とっさにボールが浮いたときに思いついたイメージのままで良いシュートができたかなと思っている」

-バイシクルの場面について、あの瞬間は自分自身の中で準備ができていたのか

「もちろんボールが来る準備はしていたが、あの空中にボールが浮いた時点でワンタッチでしか(シュートを)打てないと思ったので、とっさの判断であのような形になった。おそらく人生であのようなシュートを打ったことはないと思うが、入って自分でもびっくりしている」

-(ダビド・)ビジャとのマッチアップする場面も見られたが

「誰が相手でもディフェンスの基本は変わらないと思うので、今日もディフェンスライン3人とボランチを中心に良いコミュニケーションがとれた。PKというアンラッキーな形で1点をとられたが、粘り強い守備を見せることができたと思う」

-今後の戦いに向けて意気込みを

「3連敗した後でルヴァンで勝利してそこから勢いづいたという感覚があるので、ルヴァンもしっかりトーナメントに進むことでリーグ戦に良い影響が出てくると思っている。両方で良い結果を残せるようにチームとして戦っていきたい」


4、北海道コンサドーレ札幌:鈴木武蔵

(ミックスゾーンにおいて)

‐リーグ戦4連勝を決めた気持ちは

「素直に嬉しい。今日も良い戦いができていたので、これをまた継続して5連勝できるようにやっていきたい」

-あのヘディングシュートによる逆転ゴールについては

「前半から(相手DFと)駆け引きしていた。背後をとることやクロスへの入り方でも駆け引きしていた中、早さん(早坂良太)から(クロスが)あがってくるのは分かっていたので、ちょっと外に行きながら中に入って、駆け引きで勝つことのできたシーンだったと思う」

-リーグ戦では清水戦以来の得点となったが

「なかなかリーグ戦で得点できていない時期があったので、どうしてもとりたいという気持ちがあった。決勝ゴールという形で決めることができて嬉しい」

-チームとして非常に強い勝ち方ができているが、最近のチームの雰囲気や流れは

「前半良い戦いができていたし、3連敗しているときと違って今日は先制点をとられた後もみんな落ち着いていた。まだ時間はあるという心の余裕がすごくあった。失点した後に焦りが出ていたということは3連敗している時に話し合っている部分であって、今日は落ち着いてまずは同点を目指すという気持ちでやれたことが逆転につながったと思う」

-翌週なかばにはYBCルヴァンカップ、そして来週末にはリーグ戦を控えている

「もっと自分たちのサッカーを貫いて、球際やセカンドボール、走り負けないという最低限の部分でも必ず相手に勝ちたい。これからもリーグ戦でもカップ戦でも勝っていきたい」