ラ・リーガ バルセロナ

Dr.TRIBE【試合診断書】 CLグループステージ バルセロナ対インテル

大会:UEFAチャンピオンズリーグ
カード:バルセロナvsインテル
スコア:2-0
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):ルイス・スアレス

先制点を完璧なパスでアシスト。最前線で攻撃の基点となり、コンビネーションでも、独力でもゴールに迫った。メッシ不在の中で大きな役割を果たした。

ザ・ハード・ワーカー(THW):ジョルディ・アルバ

勝利を決定づける2点目を記録。左サイドでアントニオ・カンドレーバを完全に封じ込め、タイミングのいい攻撃参加でチームに幅と深みをもたらした。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):アントニオ・カンドレーバ

監督のチョイスしたゲームプランの影響もあり、終始アルバに押し込まれる展開に。1、2本はクロスをあげたものの、それ以外で目立った活躍はなかった。守備に引きずられすぎた。


バルセロナの攻撃vsインテルの守備

バルセロナ:相手が5番のブスケツへのパスコースを切ってきた影響で、ビルドアップのフェーズでは、8番のアルトゥールや4番のラキティッチとポジションをそれぞれ入れ替えて、マークをずらしてボールを前進させた。12番のラフィーニャは攻撃時は中へ絞ってスアレスと近い距離を保つ。

両SBが高い位置をとることで相手のSMFを押し込み、それで空いたCMの脇のスペースにWGもしくはIHがポジションをとる。コウチーニョが左ハーフスペースで前を向いたときと、スアレスがペナルティーエリア内でボールを受けた時に全体がゴールへ迫る。

インテル:4-4-1-1の布陣でDFラインと中盤ラインの間をコンパクトに保ちながら、前半は比較的低めにブロックを敷いて守備。相手WGにはSBが対応し、DFライン全体がペナ幅以内に収まる。ブスケツは、20番のバレロが彼へのパスコースを切る形で対応。

両サイドから押し込まれてしまい、両SMFが攻撃時に前へ出られない展開に。それを後半は修正し、前から人を埋めながらプレスをかけて、ロングボールを蹴らせる守備を何度か成功させた。


インテルの攻撃vsバルセロナの守備

インテル:基本的な狙いはロングカウンターから、ボックス内へクロスボールを入れて9番のマウロ・イカルディがフィニッシュに持ち込む形。しかし守備時に押し込まれて前半はなかなか形が作れず。

後半にプレス位置を上げてから、攻撃に出られる回数も増え、87番のカンドレーバと交代して入ったマッテオ・ポリターノが、右サイドでボールをキープしながらリズムを作った。攻撃時は77番のマルセロ・ブロゾビッチよりも8番のマティアス・ベシーノが少し前に出て、シュートまで持っていくシーンも。

バルセロナ:ネガティブトランジションの強度が高く、全員が共通の意識をもって守備ができていた。相手のCBへプレッシャーをかける際は、アルトゥールが前にでてスアレスと同ラインか少し下でビルドアップをけん制。

攻撃時に押し込むことでリスクを減らしたが、両WGの守備力が低く、DFラインまで戻って守備をするようなことはしていなかったので、SBのところで1vs1を作られた際に、不安は感じさせた。


バルセロナ監督:エルネスト・バルベルデ

完勝と言っていい内容で、メッシ不在ながら最高の結果を手にした。先発起用したラフィーニャが見事に先制点を決め、復帰したセルジ・ロベルトも申し分ないパフォーマンスを披露。ポジティブな要素が多かった。

次節のエル・クラシコに向けてアルトゥールを早めに交代させるなど、最大のライバル相手もしっかり視野に入れながら、CLでも決勝トーナメント進出をほぼ確実なものとした。


インテル監督:ルチアーノ・スパレッティ

サイドを上下動して正確なクロスを入れられる、フィジカルに優れたカンドレーバとペリシッチを先発させたものの、プラン通りに試合は運ばず首位攻防戦に敗れた。

後半に修正を施してしっかりとゴールに迫ったところはさすが。しかし同じグループの下位2クラブが引き分けたことも考慮すると、もうすこしチャレンジしてもよかったかもしれない。


主審:オビディウ・ハツェガン

少し判断基準があいまいなところがあり、両チームの選手をイライラさせる場面も見られた。しかしビッグゲームで大きなミスジャッジなく、しっかりと捌き切った。