ラ・リーガ レアル・マドリード

「ポストCロナ」の時代へ突入するレアル。世界最大クラブの真価が問われる

ジネディーヌ・ジダン前監督 写真提供:Getty Images

 実際にチームは昨シーズンのオフにも若い選手を獲得して、チームの若返りを図った。しかし、獲得したダニ・セバージョスやテオ・エルナンデス、マルコス・ジョレンテはそろって結果を出すことができず、というよりも、そもそもそれほど多くのチャンスが与えられなかった。

 そこにはジネディーヌ・ジダン前監督の存在があったのではないかと想像する。移籍市場でのクラブの動きを見れば、フロント側が世代交代を図ったのは明白だが、実際にピッチ上で選手を使うのは監督。そしてジダン前監督は、本当にピッチで戦える選手を使うことを選んだ。彼が選手たちから信頼されるのもうなずける。

 しかし今シーズンはそのジダン前監督が去り、スペイン代表に火種を生む結果になったフレン・ロペテギ新監督が就任。C・ロナウドの退団とともに、クラブは新たなフェーズに入っていくことになるだろう。

 選手のタレント性ファーストでチームを創り上げていくマドリードは、チーム1のスーパースターを失った。そして最大のライバルであるバルセロナは、昨シーズンあと一歩で無敗優勝を達成するところまで迫ったにもかからわず、今夏のマーケットで積極的な補強に出ている。さらに同じ街のライバルであり、タイトル争いの相手でもあるアトレティコ・マドリードも順調にチームの強化と年齢のバランスを整え、近年まれにみる印象的なチームを創り上げている。

 ライバルたちから一歩で遅れた印象の否めないマドリードだが、2シーズン続けて3位に甘んじるとは到底思えない。しかし中位以下のクラブも着実に補強を成功されているラ・リーガの現状を見ると、昨シーズンの前半戦のような戦いを強いられても何ら不思議ではない。

 「ポストC・ロナウド」時代をどう過ごしていくのか。その第一歩を踏み出す今シーズンは、世界最大のクラブの真価が問われている。

著者:ペペ土屋

フットボール・トライブ・ジャパン編集長。ベティコ。

Twitter:@PPDOLPHINS

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