ワールドカップ

空席目立ったW杯準決勝…なぜスタンドは埋まらなかったのか?

 ロシアワールドカップ準決勝、フランス代表対ベルギー代表の試合は事実上の決勝戦とも言われ試合前から注目される一戦だった。しかし、同試合の開催場サンクトペテルブルク・スタジアムのスタンドには空席が目立ち、ワールドカップらしからぬ光景が広がっていた。

 この問題を11日、ドイツ紙『キッカー』ではチケットのシステムに問題があるとして報じている。

 準決勝のチケットの大半は組み合わせが決まる前に購入されているため、今回の試合ではフランスサポーターやベルギーサポーターのほかにもすでに敗退したブラジル代表サポーターの姿が多く見受けられていた。しかし、チケットを購入するも母国が敗退し観に行かない観客が多かったことが今回の空席の1つの理由だとという。

 さらにこの原因は『ファンID』というシステムにも問題があるようだ。これはチケットを購入したサポーターに、実質的なビザが付与されるという便利なシステムだ。だが、母国の敗退が決まるなどで観に行かない観客がチケットを譲ったり売却するには、譲り先のサポーターがチケットを手にしないとロシアに入国できないというう問題が立ちはだかる。

 また、チケットを誰かに渡す行為が難しいことからもこの空席が生まれたようだ。なお、チケットを売却する行為は許可されているが手続きの難しさから諦める客も少なくないようだ。

 この試合でW杯決勝進出を決めたフランスだが、国内では大通りに数千人ものファンが同国代表を祝ったにもかかわらず、このような熱狂的なファンがスタジアムに足を運べないのはいかがなものだろうか。FIFAはより多くの人に見て観戦してもらうために何かしらの対策を練る必要があるだろう。