ワールドカップ 日本代表

日本代表西野朗監督、試合後コメント「ポジショニングでの優位を大切に」

ロシアワールドカップ・グループH第1戦日本代表対コロンビア代表が19日に行われ、日本代表が2-1と勝利を飾った。日本代表の西野朗監督が試合後に残したコメントをご紹介する。
(取材:河治良幸 文:編集部)


試合を振り返って

スタートから非常にアグレッシブに入ることができた。そして数的優位の状況ので試合をすることができた。ただ選手はハーフタイムにも「すべてが数的優位ではなくて、ポジショニングでの優位というのを持たないといけない」。何となく(数的)優位で、攻守にアドバンテージがある戦い方で、得点をしてからコロンビアにポジショニングでの優位性を与えて、流れが非常に優位に進めることができなかった前半でした。

ハーフタイムに選手には、前半以上に動く中で優位なポジショニング(を求めた結果)、ポゼッションも高まり、ファルカオはじめ前線の選手のエネルギー失わせた。自分たちでボールコントロールできた後半だったと思います。中途半端に攻め込んでフィニッシュではなく、これは勝ちきるゲームであるし、そういう積極性を持っていかないといけない。

(追加点は)リスタートになりましたが決定機もいくつかありました。ハーフタイムでの修正力、対応力が運動量も含めてコロンビアを上回ることができた。「やっぱりハメスが出てきたか」と思ったんですが、個人で対応するというよりは、上手く全体で、彼がいるポジションで選手が対応する。後半はある程度、自分たちの現行(プラン)どおりできました。ボールもある程度保持することが出来た。そいう中で2点目に結びついたのではないかと思っている。選手がアグレッシブに、スタートからスムーズに入れたのはよかったと思います。


今日のスタメンをいつ決めて、特にどこに狙いがあったのか。また、この1勝がチームに与える影響は?

すべて、初戦のコロンビアに対してと言ってきましたので、今までの準備は今日のゲーム(のため)。自分の中で、固定した形、メンバーで今日を向かえるというのではなく、いろいろテストした上でのメンバー、形、システムを決めたいと思っていました。パラグアイ(戦)まで、システムも選手もトライする中で、最後は中盤でのディフェンス。攻防が3試合とも優位に立てるかどうかというところで、今日はそういうキャスティング。柴崎、香川、乾。そういうボールをある程度、うまく自分でもグループでも扱える選手が必要であると。リアクションだけにならず、ディフェンス、ディフェンスの中で試合を進めて、最後(に勝負を懸ける)というところでは別のキャスティングだったと思いますが、中盤のある程度のイニシアチブをとりたいというところでの中盤の構成。香川もかなり状態が良くなっていました。それは、パラグアイ戦を通して感じたところで。乾に関しても、日本では難しい状態でしたが、そういう選手たちを中盤で必要だと思って起用しました。

(この1勝は)最高の目標設定をした中での結果で勝ち切る、全員が勝負に対して(こだわって)後半入れたというところ。初戦をこういう形で終えることができたのは、大きなアドバンテージと考えますけれど、2戦目も3戦目も非常に厳しい相手ですし、しっかり対応したいと思います。その中で、自分たちのストロングをいかに出せるか、というところをフォーカスしながら対応していきたいと思います。常に相手のストロングに対応するだけでは、勝負ということになれば、おそらく確率的に低くなる。自分たちのストロングというものを、いかに出せるかということを追求しながら準備していきたいと思います。


「ストロングを出していきたい」ということだが、相手が10人になったということで、相手のどんなつころを突いていこうと思ったのか?

最初に話しましたが、数的な優位というのは決してゲームの中では優位ではないということ。ポジショニングをいかに取っていくか。ひとり余っているという中で、前線から入っていけるという状況は自然にありますし、それを実践していました。あとはサイド。攻撃面では、ボールをしっかり出し入れしながら、(相手の)前線の選手のスタミナを失わせるような、それぐらいの余裕をもってボールを動かさなければならない。そして最後に起点を持って、後半は酒井宏樹と本田が右サイドで苦しいサッカーをしていましたけれど。

両サイドもボールを動かしていく中で、(ポジショニングの)優位性を作っていくということ。それを冷静にできていいた。選手たちが非常にリアクションが高まって、ボールがテンポよく動かせるシーンがあった。戦術的な理解は、はっきり選手の中で共有することができた。(だから)中でボールが動かせたということだと思います。