
日本のスポーツ界では近年、スタジアムやアリーナを単なる「試合を開催する場所」から「365日人が集まる街の核」へと変える「スタジアム・アリーナ改革」が活発化している。サッカー界においても、Jリーグのライセンス基準の改定や施設の老朽化、地域活性化への期待を背景に、全国で数多くの新スタジアム建設・建て替え構想が同時並行で進められている。
2024年には、2月に観客席とピッチの距離の近さでお馴染みのエディオンピースウイング広島(広島県広島市)が、10月にPEACE STADIUM(長崎県長崎市)が相次いで開業した。特に後者は、ホテルや商業施設と一体となった複合施設で、試合日以外も賑わう新時代の拠点として注目を集めている。
ここでは、今後10年前後で完成・開業を目指す、日本国内の注目サッカースタジアム計画を紹介していく。臨場感溢れるフットボール専用スタジアムから、最先端の技術を導入した全天候型マルチスタジアムまで、次世代の観戦体験をもたらす「未来の聖地」の姿に迫る。

モンテディオ山形の新スタジアム(山形県天童市/2028年開業予定)
1箇所目は、モンテディオ山形の新スタジアム(山形県天童市)だ。
民間主導で計画が具体化しており、今年3月に着工され、2028年夏の開業を目指してプロジェクトが進行している。総事業費は約158億円で、最大約1万5,000人を収容できる計画となっている。このスタジアムの特徴は、観客席からピッチまでの距離が約8〜9mと非常に近く、圧倒的な臨場感を味わえることにある。
試合日以外も地域住民が日常的に利用できる商業・コミュニティ空間の併設が検討されており、「民間主導」による稼げるスタジアムのビジネスモデルとしても、全国の地方クラブから熱い視線を集めている。

川崎フロンターレの等々力緑地球技専用スタジアム(神奈川県川崎市/2029年度末完成予定)
2箇所目は、等々力緑地球技専用スタジアム(神奈川県川崎市)だ。
川崎フロンターレのホームとして長く親しまれてきた等々力陸上競技場が、2029年度末までに陸上トラックを廃止し、ピッチとスタンドの距離を極限まで縮めた「球技専用スタジアム」へと生まれ変わる。最大収容人数も、現在の約2.7万人から約3.5万人規模へと拡張され、全席を覆う大型屋根が設置される予定だ。
スタジアムが位置する等々力緑地全体の再整備プロジェクトとも連動しており、周辺の公園アメニティやスポーツ施設を含めた一体的なレジャー空間として、川崎市民のウェルビーイングを支える拠点となることに期待が集まっている。

葛飾区の新スタジアム(東京都葛飾区/完成時期未定)
3箇所目は、東京都葛飾区が新小岩で構想している新スタジアムだ。
同スタジアムは、東京23区初となるJ1基準を満たした収容人数約1万5000人のサッカー専用スタジアムを目指している。地元からJリーグ入りを目指す「南葛SC」のホームスタジアムとしての活用や、人気漫画『キャプテン翼』のブランド力を活かした国際的なにぎわい拠点の創出、さらには地域の防災機能や環境共生・DX(デジタルトランスフォーメーション)を備えた先進的な地域のシンボルを目指している点が大きな特徴である。
実現すれば、東京都のサッカー熱はさらに高まるだろう。
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