
いわきFCの新スタジアム(福島県いわき市/2031年開業予定)
4箇所目は、いわきFCの新スタジアム(福島県いわき市)だ。
「スポーツを通じていわき市を東北一の都市にする」というスローガンを掲げる同クラブも、J1ライセンス基準を満たす新しいホームスタジアムの建設に向けて大きく動き出している。
最大の特徴は、試合日以外も地域課題の解決や価値創造の場として活用できる「スタジアムラボ」の思想だ。可変的な構造を持ち、教育や偶然の出会いを支える拠点を目指している。収容人数は8,000〜10,000人規模で、2031年の完成を見込んでいる。

鹿島アントラーズの新カシマサッカースタジアム(茨城県鹿嶋市/2033年開業目標)
5箇所目は、鹿島アントラーズの新カシマサッカースタジアム(茨城県鹿嶋市)だ。
Jリーグ開幕の1993年に誕生し、日本初の本格的サッカー専用スタジアムとして数々の歴史を刻んできた茨城県立カシマサッカースタジアムが、ついに建て替えのフェーズへ移行する。2026年2月に新たな建設予定地が鹿嶋市内の「卜伝の郷運動公園」に決定したと発表され、2033年の開業に向けて準備が進められている。
現スタジアムは、東日本大震災の影響に加え、塩害や老朽化が進んでおり、安全性の確保と高額な維持費が課題となっていた。新たなスタジアムでは、鹿島が掲げる「FOOTBALL DREAM」の次なる象徴として、単なるスポーツ施設を超えた最先端のエンターテインメント・防災拠点を兼ね備えたスマートスタジアムとなる予定だ。
築地地区マルチスタジアム(東京都中央区/2030年代前半以降まちびらき予定)
6箇所目は、東京都・築地市場跡地に完成予定の築地地区マルチスタジアム(東京都中央区)だ。
約5万人を収容する屋内全天候型マルチスタジアムを核とした再開発で、全体の総事業費は約9,000億円という破格のスケールとなる。まちびらきは2030年代前半以降を予定している。
サッカー専用スタジアムではないが、天候に左右されずにサッカーの国際試合や日本代表戦、世界ツアーのメガコンサートを開催できる首都・東京の新たなランドマークとなる。最先端の音響・映像設備や、ラグジュアリーなVIPルーム、ホテルや商業施設が密接に連携した、世界最高峰のエンターテインメント空間が誕生する。
スタジアムが変えるクラブと地域の未来
今後完成を迎えるスタジアムの多くに共通しているキーワードは、「コンパクト」「球技専用による圧倒的臨場感」そして「試合のない345日の地域貢献」だ。
これまでの日本のスタジアムは、行政主導で建てられた「陸上トラック付きの多目的競技場」が主流であり、サッカー観戦における見づらさや、試合日以外の稼働率の低さが課題視されていた。しかし、これからの新スタジアムは、民間資金や官民連携を巧みに取り入れ、ホテル、商業施設、保育園、ウェルビーイング施設などを日常的に内包する複合体へと進化していくようだ。
各プロジェクトでは建設費の高騰が共通の課題となっており、持続可能な開発に向けた議論が進められている。
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