Jリーグ 福島ユナイテッドFC

大躍進のJ3福島ユナイテッド。主力を失った2025シーズンはどうなるか

福島ユナイテッド 写真:Getty Images

2月15日に開幕する明治安田J3リーグ。J2から降格した栃木SC、ザスパ群馬、鹿児島ユナイテッドに加え、JFLから昇格してきた栃木シティ、高知ユナイテッドが初参戦し、全20クラブによる戦いが始まる。

昨2024シーズンは降格組の大宮アルディージャが独走V。2位にはFC今治が食い込んでJ2初昇格を果たし、3位に入ったカターレ富山がプレーオフを勝ち抜き、実に12季ぶりとなるJ2昇格を決めた。

プレーオフに進出したものの昇格を逃した4位の松本山雅は、前年は9位。5位の福島は前年15位。6位のFC大阪は前年11位だ。メンバー構成の入れ替わりが激しいリーグとあって、前年の順位など全くアテにならないことが分かる。しかも20クラブ中、7クラブが新監督を迎えている。始まってみなければ何も分からないというのが、正直な印象だ。

ここでは昨シーズン戦前の予想を大きく上回る好成績を収め、J2にリーチを掛けるまでに至った福島ユナイテッドの今2025シーズンを占いたい。


寺田周平監督 写真:Getty Images

昨季クラブ最高タイ記録J3・5位

昨季、寺田周平監督を迎え、クラブ最高タイ記録の5位にチームを押し上げた福島。しかし、その原動力となったFW塩浜遼がJ2ロアッソ熊本に完全移籍し、U-20日本代表で背番号10を背負うMF大関友翔もレンタル元の川崎フロンターレに帰還した。また、長年主将としてチームをまとめていたGK山本海人は現役を引退した(浦和ユースのGKコーチに就任)。

即戦力として、FW飯島陸をヴァンフォーレ甲府から、DF安在達弥をアスルクラロ沼津から、GK上田智輝をFC岐阜から迎えた福島。さらに業務提携を結ぶ川崎からユース育ちの19歳の長身ボランチであるMF由井航太、新人にDF當麻颯(甲南大学卒)、MF中村翼(法政大学卒)、FW石井稜真(法政大学卒)といった若き新戦力も加わり、新主将のMF針谷岳晃を先頭に再びJ2昇格へ挑む。

守備陣は大きな動きはない。昨季主将を務めDFリーダーでもあった堂鼻起暉が、シーズン途中で同県のJ2いわきFCに引き抜かれても破綻を起こさなかったことで、ある程度計算は立つだろう。

塩浜と大関の穴をどう埋めるか?

問題は昨季16得点の塩浜と昨季8得点の大関の穴を埋める作業だ。福島は伝統的に【4-1-2-3】のフォーメーションを敷きポゼッションを重視しているが、今季もこの戦い方を継続するならば、昨季ボランチ起用が多かったMF宮崎智彦を1列上げ、左サイドハーフに置く可能性もあるだろう。

3トップに関しては、背番号10を背負うMF森晃太を左ウイングに、ベテランの域に達してきたFW樋口寛規をセンターフォワードに置くことは既定路線だろう。塩浜が君臨した右ウイング候補に名前が挙がるのはFW城定幹大、FW清水一雅に加え、新加入の飯島、石井らが激しいポジション争いを繰り広げることになるのだろう。

いずれにせよ、上位リーグへのステップアップが噂された寺田監督の続投が最大の”補強”であることは間違いなく、2年目を迎える今季チームをどうビルディングしていくのか期待したい。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ、現在のお気に入りはシャビ・アロンソ率いるバイヤー・レバークーゼン

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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