
シンガポール1部タンピネス・ローバース所属の日本人MF仲村京雅(28)が、シンガポール国籍取得に向けて帰化申請を開始した。かつて日の丸をつけて戦った仲村は今、一度は失いかけたワールドカップ(W杯)出場の夢を、国籍を変えシンガポール代表となって叶えようとしている。
アンダー世代でエリート街道を順調に進み、高校時代にはU-17日本代表にも選出され、2013年のFIFA U-17W杯で活躍した仲村。現在鹿島アントラーズに所属しているMF三竿健斗や、バーミンガム・シティ(英3部)のMF三好康児らとともにチームのベスト16入りに貢献した。
千葉県船橋市出身の仲村は、2012年に地元ジェフユナイテッド千葉の下部組織に入団。2015年にはトップチームに昇格するもプロの壁に直面し、出場機会を求めてY.S.C.C.横浜やFC琉球に期限付き移籍。2017年末には千葉との契約が満了となり、翌年Y.S.C.C.横浜へ完全移籍した。
その後は活躍の場を海外に求め、2019年にアルビレックス新潟シンガポールへと移籍。翌2020年から現在のローバースでプレーしている。シンガポールプレミアリーグでは、これまでに4度の年間ベストイレブン(2019、2020、2022、2023)に選出されるなど、リーグを代表する選手となっている。またローバースでは、AFCカップやAFCチャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフという国際大会も経験済み。
ローバースとの間で異例の5年契約を結んだ仲村は、チームから「シンガポール人にならないか?」と提案されたことを契機に帰化を決意。今年3月下旬に永住権を取得し7月中旬に帰化申請を開始、現在は承認を待っている段階とのこと。
また、つい先日には仲村同様アルビレックス新潟シンガポールに所属経験のある、カンボジア1部プリヤ・カーン・リーチ・スヴァイリエンの日本人MF水野輝(32)が、カンボジアの市民権を取得している。近い将来、帰化した日本選手同士の対決がW杯予選やASEAN三菱電機カップ(旧AFFスズキカップ)で見られる日が来るかもしれない。
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