日本代表の右サイドバック問題
森保一監督が日本代表の右サイドバックに誰を指名するか、この試合の一つのポイントでもある。アジアカップ初戦のベトナム戦でも先発していたDF菅原由勢(AZアルクマール)が、これまで代表における右サイドバックの序列1番目であった。しかし、グループリーグ第1戦のベトナム戦と2戦目のイラク戦で菅原は本来の力を発揮することができず、低調なパフォーマンスを披露してしまった。そして3戦目となるインドネシア戦ではDF毎熊晟矢(セレッソ大阪)が先発。すると、毎熊は右サイドでMF久保建英(レアル・ソシエダ)やMF堂安律(SCフライブルク)と見事なコンビネーションをみせ、何度もチャンスを創出した。また、守備面でもインドネシアのFW陣を自由にさせない好プレーで90分を戦い抜いた。
毎熊の好パフォーマンスは、スタメン選考時の森保監督に新たな悩みを与えたに違いない。もちろん菅原に対する信頼はこの2試合で消えるものではないだろう。しかし、バーレーン戦を含めたアジアカップ優勝までの4試合が、残りおよそ10日間あまりで終了してしまうことを考慮すれば、菅原のコンディションが戻るのを待たず毎熊を起用することも考えられる。
同じトーナメントの山に、イランやカタールといった中東の強豪がいることも一つのポイントだ。日本代表がイランやカタールを倒して決勝に進むためには、これまでのパフォーマンスからもう一段階ギアを上げる必要があり、次の対戦はおそらく最後の調整的な意味も持つだろう。現時点での序列は菅原と毎熊がほぼ横並びの状態にあると捉えると、森保監督はバーレーン戦に菅原を起用し、そのパフォーマンスで今大会における同ポジションの序列を決定するのかもしれない。日本の右サイドバックには誰が出現するのか、パフォーマンスは良好か、そこに注目することで決勝に向けてのスタメンが予想できるだろう。
三笘薫の出場はあるか
優勝に向け今後さらにタフな試合が待ち受けていると考えれば、一つでも多くの不安材料を消しておきたいところだ。報道によると、怪我により欠場が続いていたFW三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン)も全体練習に参加しており、バーレーン戦での復帰が期待される。
三笘の主戦場である左ウイングはやや手薄な状況が続いており、復帰すれば優勝に向けて大きな戦力になることは間違いないだろう。また、ここまで全試合に出場しているキャプテンのMF遠藤航(リバプール)については、バーレーン戦での負担をできるだけ軽減したいはずだ。そのためにも、なるべく早い時間帯に点差をつけ、安心して遠藤を交代させられる試合展開にもっていくことが重要だ。
勝つことは絶対条件とし、いくつかのオプションを試すことのできる最後の舞台になりそうなバーレーン戦。選手同士の組み合わせや戦術上のルール、そして自分たちの弱点などを明らかにし、来たるべき決勝に向けて磐石な体制で臨みたい。
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