アジア AFCチャンピオンズリーグ

山根視来は川崎Fの生命線。鬼木監督称賛の理由は【ACL2023/24】

鬼木達監督(左)山根視来(右)写真:Getty Images

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023/24のグループステージ第5節が11月28日に行われ、川崎フロンターレがジョホール・ダルル・タクジム(JDT/マレーシア)に5-0で勝利した。

グループIで5連勝の川崎Fは、最終節を前に同ステージ首位フィニッシュが確定。来年2月より始まるACLノックアウトステージへの進出を果たしている。

ここでは等々力陸上競技場にて行われたJDT戦を振り返るとともに、川崎Fの鬼木達監督の試合後コメントを紹介。そのうえで、この試合1ゴール1アシストと躍動した同クラブDF山根視来のプレーぶりを中心に論評する。


川崎フロンターレvsJDT、先発メンバー

川崎FvsJDT:試合展開

お馴染みの[4-1-2-3]の基本布陣でこの試合に臨んだ川崎Fは、あらゆる攻め手でJDTの出方を窺う。[4-4-2]の守備隊形をベースに、時折前線から積極的にプレスをかけてきたJDTに対し、長身FWレアンドロ・ダミアンや快足FWマルシーニョへのロングパスで応戦。右ウイングFWとして先発したMF家長昭博が敵陣左サイドへ移動し、このエリアに人を集めたうえでの細かいパスワークで局面打開を図ろうとする意図も窺えた。

前線からの守備をJDTに掻い潜られ、ピンチになりかける場面もあったが、川崎Fが質の高いパス回しから試合を動かす。

前半8分、同クラブDF大南拓磨(センターバック)が敵陣でボールを捌くと、右サイドバックの山根からのリターンパスを受けてペナルティエリア右隅へ侵入。大南が繰り出した地を這うようなクロスボールを、逆サイドにポジションを移していた家長が押し込み、川崎Fが先制した。

この場面で秀逸だったのは、JDTのフェロズ・バハルディンとオスカル・アリバスの両DF間が開いた隙を、大南が突いたこと。4バックの泣きどころである、センターバックとサイドバックの間への走り込みが物を言った。


レアンドロ・ダミアン(左)マルシーニョ(右)写真:Getty Images

後半はゴールラッシュに

前半13分にJDTのDFアリバス、同39分に相手MFベルクソンにGKチョン・ソンリョン強襲のシュートを放たれた川崎F。中盤でのボールロストからJDTの速攻を浴びるシーンもあったものの、これらのピンチを凌ぎ、後半にゴールラッシュを披露した。

後半5分、この試合でセンターバックを務めたMF山村和也がセンターサークル内からパスを繰り出し、ボールは敵陣右サイドへ。家長の右サイドからのクロスにL・ダミアンがボレーシュートで合わせ、川崎Fに追加点をもたらした。

川崎Fは後半15分にもJDTの速攻を阻止し、すかさずサイド攻撃を繰り出す。右サイドバック山根のクロスにマルシーニョがダイビングヘッドで合わせ、ゴールネットを揺らした。

後半24分には、途中出場の遠野大弥と小林悠の両FWが躍動。敵陣でボールを奪った川崎Fは右サイドから攻撃を仕掛けると、ペナルティエリア右隅へ侵入した遠野のクロスに小林がヘディングで合わせる。このシュートは相手GKシハン・ハズミに弾かれたものの、こぼれ球を小林自身がジャンピングシュートで押し込み、試合の趨勢を決定づけるゴールを挙げた。

同じく途中出場のMFジョアン・シミッチとFW宮代大聖も、試合終盤に存在感を示す。迎えた後半43分、シミッチの縦パスに反応した宮代が、ペナルティエリア内から後方へボールをはたく。この宮代のワンタッチパスを受けた山根がペナルティアーク内からシュートを放ち、川崎Fに5点目をもたらしている。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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