酒井宏樹(浦和レッズ)
カタールW杯では、自身3度目となるW杯本大会出場を果たしたDF酒井宏樹。主戦場となる右サイドバックにおいて、代表でも不動の地位を確立しているが、酒井も32歳となり世代交代の必要性が日増しに高まっていることも事実。今後の代表活動がどうなるのか注目の選手の1人となっている。
所属先の浦和レッズでは、今シーズンも高いパフォーマンスを見せている。開幕から2連敗を喫した浦和だが、酒井自身は攻守で変わらない安定感を見せ直近の2連勝にも大きく貢献。苦しい状況でもチームを鼓舞する姿も相まって、頼もしさは増すばかりだ。
代表ではDF長友が長く務める左サイドバックと同様、酒井の右サイドバックも後任がはっきりしないポジション。カタールW杯ではDF冨安健洋(アーセナル)が務めることもあったが、センターバックもDF吉田麻也の去就によっては冨安をサイドで使えない状況も考えられる。それだけに、今後も酒井が頼られ続けるのか、それとも新戦力を探るのか右サイドの動向から目が離せない。
吉田麻也(シャルケ/ドイツ)
キャプテンとして代表を支え続けるDF吉田麻也も、当然今後の代表活動への関わりが注目される選手の1人だ。同じセンターバックの代表候補で言えば、DF冨安やDF板倉滉(ボルシアMG)など、東京世代の頼もしい若手が揃う。見方によっては世代交代の絶好機でもあり、今後の代表戦では彼ら将来有望な選手たちに、より多くの出場機会を与えてもらいたいと感じてしまうのも当然のことだろう。
しかし、DFライン全体を見ると、同じく長く代表を支えるDF長友やDF酒井の両サイドバックもまた、代表の年齢構成を見ると世代交代が急務となっているポジションだ。DFライン4枚のうち3枚を一度に入れ替えるとなると、バランスや統制に不安が出るのも事実と言えよう。そして、何より今の代表において、吉田以外にキャプテンとしてチームを牽引できる存在がいるのかという点も疑問だ。
この3月のメンバー選考にあたり、森保監督は吉田をはじめ所属クラブが残留争いをしている選手の招集について「考慮したい」との意向を示している。この3月の2試合には招集されない可能性も十分にあるだろう。しかし、代表チームの年齢構成や他ポジションとのバランスなど、様々なものを考慮したとき、ベテランとなった吉田が今後の代表活動にどんな形で参画するのか、キャプテンという重責を担った選手なだけに注目度も高いことは間違いない。
柴崎岳(レガネス/スペイン)
カタールW杯を目指すアジア予選では、失点に絡むミスもあるなど一時は低調な時期もあったMF柴崎岳。本大会では招集こそされたものの出番はなし。2018年のロシアW杯では主軸として日本のベスト16に貢献しただけに、カタールW杯は柴崎にとって屈辱的な大会になったとの見方もできるだろう。
所属先であるスペイン2部のレガネスでは、直近の試合を見ても出場機会を得られており、十分戦力として見ることはできる。しかし、代表の中盤は世代交代が推し進められ、W杯の成功例もあることから割って入るのは困難を極めるはずだ。一方で、W杯で起用された前線の選手やその戦い方を見ていると、裏への抜け出しや爆発的なスピードを武器とする選手も多く、柴崎の持つ広い視野と精度の高いパスが生きる場面もある。
30歳を迎え、代表に招集され続けるのであればピッチの内外でチームを牽引すべき年代になってきた柴崎。Jリーグへの復帰の噂も聞こえてくる中、再び日本代表で輝くことができるのか、動向に注目していきたい。
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