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天野純、蔚山現代監督の批判に冷静沈着!全北現代移籍で高額年俸指摘も…

天野純 写真:Getty Images

 明治安田生命J1リーグの横浜F・マリノスから韓国1部の蔚山現代へレンタル移籍していた元日本代表MF天野純(31)は、昨年末に蔚山現代を退団。年明けに横浜F・マリノスから全北現代へのレンタル移籍が正式決定している。蔚山現代のホン・ミョンボ監督がライバルクラブへ移籍した天野純を批判する中、選手本人が全北現代移籍の理由を告白。ホン・ミョンボ監督の発言にも反応した。

 同選手は昨年1月に横浜F・マリノスから蔚山現代へ移籍すると、リーグ戦33試合中18試合の先発出場で8ゴール1アシストをマーク。蔚山現代のリーグ優勝に大きく貢献していたが、今月5日になって蔚山現代の宿敵である全北現代へのレンタル移籍が決まっている。

 また韓国メディア『スポーツソウル』は、天野純が全北現代移籍を決断した理由が年俸額の差にあると指摘。これによると、横浜F・マリノスに支払うレンタル料に関しては両クラブともに15万ドル(約2100万円)を用意していたものの、全北現代の提示した年俸額が蔚山現代よりも10万ドル(約1400万円)上回っていたという。

 するとホン・ミョンボ監督は今月11日、韓国のスポーツサイト『Sportal Korea』の取材で天野純の退団に言及。契約延長で合意に達していたことを明かした上で「彼は嘘をついた」と罵倒。

 「私はこれまで多くの日本人選手に会ったが、その中でも最悪の日本人だ。他のクラブに行って挑戦したいとか、理由があれば移籍させるのが正しいが、そういう状況ではなかった。蔚山現代をリスペクトしていないということだ」と批判していた。

 一方で天野純は今月9日、韓国メディア『スポーツ東亜』のインタビューに対応。所属クラブを蔚山現代から全北現代へかえたことについて「(ライバルクラブへの移籍は)簡単な決断ではありません。想像すらしたことがなかったので、複雑な気持ちでした。蔚山現代でタイトルを獲りましたし、より高いレベルに到達するためにも野心的な選択をしました」と冷静に語っている。

 またホン・ミョンボ監督の「天野純は『お金に興味がない』と言っていたが、結果として全北現代にカネのために移籍した。彼は嘘をついたんだ」というコメントに対しては、「蔚山現代ではいつも幸せでしたし、いい思い出がいっぱいあります。ただ残留か移籍かの選択の岐路で、自分にとって何が正しいのかを深く考えました」

 「蔚山現代にやって来た時も難しさはありましたけど、移籍が100%ではありません。この選択が良いかどうかは、後になって分かると思います」と反応。『スポーツ東亜』はこの発言をうけて「蔚山では(全北現代移籍の理由が)お金だったが、天野純の場合は話が違う」と綴っている。

 さらに同選手は「全北現代は勝利と優勝のためだけに存在するクラブです。リーグ戦、国内カップ戦、AFCチャンピオンズリーグ、すべての大会で優勝を目指しています。蔚山現代にいた時以上の結果を残したいですね」と、今シーズンにむけての意気込みも語った。