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京都がシャルケ上月壮一郎のブンデス挑戦阻止?独紙が香川真司と比較も

上月壮一郎 写真:Getty Images

 かつて京都サンガでプレーしていたU23シャルケ所属MF上月壮一郎(21)は、カタールW杯日本代表DF吉田麻也(34)ら擁するトップチーム昇格へ近づいている。そんな中、かつてボルシア・ドルトムントで活躍した元日本代表MF香川真司(33)と上月壮一郎の比較論が現地で沸き起こっているほか、ブンデスリーガ挑戦を阻まれた過去も明らかになっている。

 上月壮一郎は昨年12月に京都サンガを退団し、2021/22シーズン終了後までドイツ5部FCデューレンでプレー。FCデューレンをリーグ優勝に導くと、今年6月からシャルケのプレシーズントレーニングにテスト生として参加。練習試合でのアピールをへて8月26日に加入内定を勝ち取っていた。

 ドイツ紙『ビルト』は19日、同選手の経歴を特集。シャルケでトップチーム昇格に近づている現状を説明した上で「上月壮一郎は強靭なメンタルの持ち主だ。彼はFCデューレンへ加入する前、ブンデスリーガのクラブへ移籍間近だった。しかし、その時は育成補償金の関係で破談に終わった。それでも彼はドイツの環境に適応していたため、5部リーグ経由という遠回りの道を選んだ」と綴っている。

 そんな上月壮一郎は今季ドイツ4部で8ゴール5アシストと結果を残すと、カタールW杯開催期間中にトップチームの練習に帯同。『ビルト』は今月8日、シャルケ幹部やレイス監督が来年1月の補強予算に限りがあることや守備陣の補強優先の方針を踏まえた上で、同選手のトップチーム昇格を検討していると報じていた。

 すると同選手は9日の練習試合・ラピード・ウィーン戦で先発出場し、前半7分に先制ゴールをマーク。16日のハイドゥク・スプリト戦では後半キックオフからピッチに立つと、2-4で迎えた78分に左サイドからのクロスにあわせてゴールを奪った。

 またハイドゥク・スプリト戦後には、トップチームのトーマス・レイス監督が「彼はテストマッチでゴールを決めるなど、かなり目を引く存在だった。ファーストタッチがとても巧い。注目しなければならない選手だ」とコメント。トップチーム昇格の可能性には言及しなかったものの、同選手のパフォーマンスを称えている。

 すると『ビルト』は「上月壮一郎はシャルケの香川真司になるのか?」として、「日本のスーパースターである香川真司と同じく、上月壮一郎も21歳で無名選手としてドイツにやってきた。両選手ともにスピードとテクニックですぐに周囲を納得させた」と、上月壮一郎の今後の可能性に言及したのだ。

 なお『ビルト』は同選手の今後について「レイス監督は22日のオスナブリュック戦後、U23チーム監督と相談して上月壮一郎の今後を決める予定だ。1月のトレーニングキャンプに参加するが、それ以降は吉田麻也らトップチームの選手と一緒に練習することも考えらえる。もちろんプロ契約も間近に迫っている」と伝えている。

 ブンデスリーガ挑戦破談という挫折を経験した上月壮一郎。シャルケでの猛アピールが、トップチーム昇格という形で実を結ぶことはあるのだろうか。